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STINGと関節炎
STING and arthritis
SCIENCE SIGNALING
21 Dec 2021 Vol 14, Issue 714
DOI: 10.1126/scisignal.abn7607
JOHN F. FOLEY
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. E-mail: jfoley@aaas.org
T. Li, S. Yum, M. Li, X. Chen, X. Zuo, Z. J. Chen, TBK1 recruitment to STING mediates autoinflammatory arthritis caused by defective DNA clearance. J. Exp. Med. 219, e20211539 (2022).
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キナーゼTBK1のアダプターSTINGへの動員はインターフェロン非依存性の自己炎症性関節炎を媒介する
要約
内因性DNAを細胞質から除去できないと、細胞死や炎症が生じる。実際、DNアーゼをコードする遺伝子の変異は、自己炎症性疾患全身性エリテマトーデスと関連している。DNase II−/−マウスは、I型インターフェロン(IFN)依存性の炎症と細胞死により胚性致死となる。DNase II−/−マウスの致死性はI型IFN受容体の欠失により救済されるが、マウスは関節リウマチの特徴をもつ慢性多関節炎を発症する。細胞質DNA感知経路であるcGAS-STING経路の構成要素のノックアウトも、DNase II−/−の致死性を救済する。そこで、Liらは、様々な変異型STINGタンパク質を発現するDNase II−/−マウスを作製することにより疾患に寄与したSTINGの下流経路を調べた。S365A STING変異体の発現は、DNase II−/−マウスの致死性を救済したが、サイトカインであるTNFαおよびIL-6に依存した多関節炎を依然として呈した。S365A変異は、STINGがI型IFN産生に必要な転写因子IRF3を動員することを妨げる。しかしながら、S365A STINGはIRF3とNF-κBの両方の活性化に必要なキナーゼTBK1を依然として動員し、炎症性サイトカインの産生を誘導する。対照的に、TBK1を動員できないL373A STING変異体またはSTINGのC末端短縮型変異体を発現したDNase II−/−マウスは成体期まで生存したが、多関節炎を発症せず、炎症性サイトカインの産生を示さなかった。まとめると、これらのデータは、STINGへのTBK1の動員によりDNAクリアランスの欠損を原因とする多関節炎が引き起こされるが、IRF3の動員によっては引き起こされないことを示し、自己DNAに起因する自己炎症性疾患の治療戦略を示唆している。