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B細胞になるべきかならざるべきか

To B or not to B

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SCIENCE SIGNALING
11 Jun 2024 Vol 17, Issue 840
DOI: 10.1126/scisignal.adq9088

Amy E. Baek

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA.

Corresponding author. Email: abaek@aaas.org

M. J. Simpson, A. M. Newen, C. McNees, S. Sharma, D. Pfannestiel, T. Moyer, D. Stephany, I. Douagi, Q. Wang, C. T. Mayer, Peripheral apoptosis and limited clonal deletion during physiologic murine B lymphocyte development. Nat. Commun. 15, 4691 (2024).

末梢の未熟B細胞のアポトーシスはクローン除去ではなく生存シグナルの欠如により生じる可能性がある。

骨髄におけるBリンパ球の発生は、抗体の実質的な多様性を生み出すプロセスに関わっている。骨髄内で最初に自己抗原を認識したときのB細胞の自己寛容は、クローン除去ではなく受容体編集に依存して、自己反応性を回避している。今回Simpsonらは、活性型カスパーゼ-3(aCasp3)標的配列を含むアポトーシスインジケータ(INDIA)をB細胞内に発現しているRosa26INDIAマウスを用い、末梢におけるB細胞の自己寛容に対するクローン除去の寄与を検討した。血液から採取された未熟B細胞は、骨髄類洞および骨髄実質から採取された未熟B細胞と比べてより多くアポトーシスを行っており、未熟B細胞のアポトーシスの大半は血中および脾臓で生じていた。発生中の自己反応性クローンの除去に対するアポトーシスの役割は検出できず、アポトーシスしたB細胞上のB細胞受容体(BCR)の大半は自己反応性ではなかった。このことは、発生中のB細胞で検出可能なアポトーシスに対する、クローン除去の寄与は限定的であることを示唆している。次いで著者らは、Nur77GFPレポーターマウスを用いて直近のBCRシグナル伝達を観察した。直近のBCRシグナル伝達が認められた未熟B細胞は、抗アポトーシスマーカーであるBcl-2を発現していたが、直近のBCRシグナル伝達が認められなかった未熟B細胞ではBcl-2の発現は低レベルであった。このことは、未熟B細胞が成熟B細胞に分化するまでアポトーシスのリスクに曝されている可能性があることを示唆していた。本研究は、成熟B細胞の生理学的な発生について基本的な洞察を与え、B細胞の成熟と機能に関する将来の研究に役立つ可能性がある。

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