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がん遺伝子の不活性化により誘導されるアポトーシスにはPUMAとBIMが必要である

PUMA and BIM Are Required for Oncogene Inactivation–Induced Apoptosis

Research Article

Sci. Signal., 26 March 2013
Vol. 6, Issue 268, p. ra20
[DOI: 10.1126/scisignal.2003483]

Gregory R. Bean1,2, Yogesh Tengarai Ganesan1, Yiyu Dong1, Shugaku Takeda1, Han Liu1, Po M. Chan1, Yafen Huang1, Lewis A. Chodosh3, Gerard P. Zambetti4, James J.-D. Hsieh1,5, and Emily H.-Y. Cheng1,6,7*

1 Human Oncology and Pathogenesis Program, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New York, NY 10065, USA.
2 Division of Biology & Biomedical Sciences, Washington University, St. Louis, MO 63110, USA.
3 Department of Cancer Biology, University of Pennsylvania School of Medicine, Philadelphia, PA 19104, USA.
4 St. Jude Children’s Research Hospital, Memphis, TN 38105, USA.
5 Department of Medicine, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New York, NY 10065, USA.
6 Department of Pathology, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New York, NY 10065, USA.
7 Department of Pathology and Laboratory Medicine, Weill Cornell Medical College, Cornell University, New York, NY 10065, USA.

* Corresponding author. E-mail: chenge1@mskcc.org

要約:チロシンキナーゼ阻害薬が臨床的に有効であることから、がんの明確なサブセットが、特定のドライバー変異によって生存を左右される、“がん遺伝子依存”と呼ばれる現象が支持される。われわれは、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)をコードする遺伝子の増幅を伴う乳がん、ならびに上皮成長因子受容体(EGFR)変異体を有する肺がんにおいて、PUMAおよびBIMが、チロシンキナーゼ阻害薬の鍵となるアポトーシスエフェクターであることを実証する。BH3ドメイン含有タンパク質BIMおよびPUMAは、アポトーシス促進性タンパク質BAXおよびBAKを直接活性化してミトコンドリアを透過性にさせることができ、これにより、カスパーゼ活性化とアポトーシスがもたらされる。われわれは、チロシンキナーゼ阻害薬によるBIMおよびPUMAの誘導をもたらすシグナル伝達経路を描写した。マイトジェン活性化または細胞外シグナル制御プロテインキナーゼキナーゼ(MEK)−細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)経路の阻害により、BIM存在量が増加した。他方、ホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)−AKT経路を拮抗すると、FOXO転写因子の核移行が開始され、それにより、PUMAプロモーターが直接活性化された。マウス乳がんモデルでは、PUMAおよびBIMの存在量は、HER2の不活性化後に増加した。さらに、BimまたはPumaの欠損により、カスパーゼ活性化が損なわれ、HER2の不活性化による腫瘍退縮が減弱した。同様に、Pumaの欠損により、EGFR活性化変異体の不活性化に伴うEGFRL858駆動性マウス肺がんの退縮が抑制された。総合すると、われわれの研究から、PUMAおよびBIMが、キナーゼシグナル伝達ネットワークとミトコンドリア依存性アポトーシスプログラムを相互に結びつける見張り役として同定され、細胞死機構に基づく新たな抗がん戦略を設計するための治療に関する洞察が得られる。

G. R. Bean, Y. T. Ganesan, Y. Dong, S. Takeda, H. Liu, P. M. Chan, Y. Huang, L. A. Chodosh, G. P. Zambetti, J. J.- D. Hsieh, E. H.- Y. Cheng, PUMA and BIM Are Required for Oncogene Inactivation–Induced Apoptosis. Sci. Signal. 6, ra20 (2013).

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