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イノシトールポリリン酸マルチキナーゼはp53の媒介する転写および細胞死のコアクチベーターである

Inositol Polyphosphate Multikinase Is a Coactivator of p53-Mediated Transcription and Cell Death

Research Article

Sci. Signal., 2 April 2013
Vol. 6, Issue 269, p. ra22
[DOI: 10.1126/scisignal.2003405]

Risheng Xu1,2*, Nilkantha Sen3*, Bindu D. Paul3, Adele M. Snowman3, Feng Rao3, M. Scott Vandiver1,2, Jing Xu3, and Solomon H. Snyder1,3,4†

1 Department of Pharmacology and Molecular Sciences, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
2 Medical Scientist Training Program, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
3 The Solomon H. Snyder Department of Neuroscience, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
4 Department of Psychiatry, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: ssnyder@jhmi.edu

要約

腫瘍抑制タンパク質p53は、細胞周期停止、アポトーシスおよび腫瘍抑制に至る遺伝子発現を誘導する重要なストレス応答性転写因子である。われわれは、哺乳類イノシトールポリリン酸マルチキナーゼ(IPMK)が、イノシトールリン酸および脂質キナーゼ活性とは非依存的に、p53と結合し、アセチルトランスフェラーゼp300によるp53のアセチル化を亢進することにより、p53による転写を活性化することを明らかにした。遺伝学的またはRNA干渉(RNAi)によってIPMKをノックダウンすると、p53の活性化および標的遺伝子プロモーターへのp53およびp300の動員が抑制され、p53標的遺伝子の転写が阻害され、細胞生存率が増加した。また、IPMKとp53の相互作用を遮断すると、p53による転写が減少した。これらの結果から、IPMKはp53の転写コアクチベーターとして作用し、細胞死を促進するp53転写複合体に不可欠な要素であると考えられる。

R. Xu, N. Sen, B. D. Paul, A. M. Snowman, F. Rao, M. S. Vandiver, J. Xu, S. H. Snyder, Inositol Polyphosphate Multikinase Is a Coactivator of p53-Mediated Transcription and Cell Death. Sci. Signal. 6, ra22 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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2013年4月2日号

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