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Rapgef2は神経細胞と内分泌細胞においてGPCRに媒介されるcAMPシグナルをERK活性化と結びつける

Rapgef2 Connects GPCR-Mediated cAMP Signals to ERK Activation in Neuronal and Endocrine Cells

Research Article

Sci. Signal., 25 June 2013
Vol. 6, Issue 281, p. ra51
[DOI: 10.1126/scisignal.2003993]

Andrew C. Emery1, Maribeth V. Eiden2, Tomris Mustafa1, and Lee E. Eiden1*

1 Section on Molecular Neuroscience, Laboratory of Cellular and Molecular Regulation, National Institute of Mental Health (NIMH) Intramural Research Program, Bethesda, MD 20892, USA.
2 Section on Directed Gene Transfer, Laboratory of Cellular and Molecular Regulation, NIMH Intramural Research Program, Bethesda, MD 20892, USA.

* Corresponding author. E-mail: eidenl@mail.nih.gov

要約:Gタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体(GPCR)に媒介されてセカンドメッセンジャーの環状アデノシン一リン酸(cAMP)が増加すると、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)が活性化される。この経路は、神経内分泌細胞では、Rap1とB-Rafを介してcAMP依存性の神経突起生成を引き起こす。われわれは、Rapグアニンヌクレオチド交換因子Rapgef2がcAMPアガロースアフィニティークロマトグラフィーによって初代ウシ神経内分泌細胞から濃縮されることと、cAMPによって特異的に溶出されることを見出した。ラット神経細胞株Neuroscreen-1(NS-1)を用いた機能欠失型実験とヒト胚性腎臓293T細胞を用いた機能獲得型実験によって、われわれは、神経細胞と内分泌細胞においてRapgef2がGPCRに依存したアデニル酸シクラーゼの活性化とcAMP濃度の上昇をERKの活性化に結びつけていることを示した。さらに、Rapgef2のノックダウンはcAMPとERKに依存した神経突起生成を阻害した。われわれのデータは、cAMPに媒介されるRapgef2の活性化が関与する経路と一致しており、この経路はその後、Rap1を刺激し、B-Raf、MEK、ERKの活性を亢進させる。

A. C. Emery, M. V. Eiden, T. Mustafa, L. E. Eiden, Rapgef2 Connects GPCR-Mediated cAMP Signals to ERK Activation in Neuronal and Endocrine Cells. Sci. Signal. 6, ra51 (2013).

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