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エストロゲンは乳がん細胞において1型副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン受容体のスプライシングを変化させる

Estrogen Alters the Splicing of Type 1 Corticotropin-Releasing Hormone Receptor in Breast Cancer Cells

Research Article

Sci. Signal., 2 July 2013
Vol. 6, Issue 282, p. ra53
[DOI: 10.1126/scisignal.2003926]

Suchita Lal1, Anna Allan1, Danijela Markovic2, Rosemary Walker3, James Macartney1, Nick Europe-Finner4, Alison Tyson-Capper4, and Dimitris K. Grammatopoulos1*

1 Division of Metabolic and Vascular Health, Warwick Medical School, University of Warwick, Gibbet Hill Road, Coventry CV4 7AL, UK.
2 Division of Chemistry and Chemical Engineering, California Institute of Technology, Pasadena, CA 91125, USA.
3 Department of Cancer Studies & Molecular Medicine, Clinical Sciences Building, University of Leicester, Leicester Royal Infirmary, Leicester LE2 7LX, UK.
4 Reproductive and Vascular Biology Group, Institute of Cellular Medicine, The Medical School, Newcastle University, Newcastle upon Tyne NE2 4HH, UK.

* Corresponding author. E-mail: d.grammatopoulos@warwick.ac.uk

要約:ホルモン性のストレス反応は、がんなどの疾患の発症と関連している。乳がんにおけるストレスホルモンCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の役割は複雑であり、その存在量と生物学的活性はエストロゲンによって調節されている可能性がある。エストロゲン受容体陽性(ER+)の腫瘍性乳腺上皮細胞株MCF7において、CRHは多数のキナーゼと下流エフェクターを活性化し、少なくともその一部は1型CRH受容体(CRH-R1)を介していた。さらにCRHは、エストロゲンのシグナル伝達に関連するエフェクター、転写標的、または調節因子をコードする多くの遺伝子の転写を亢進させていた。エストロゲンは、CRH-R2をコードするmRNAの存在量と、エクソン12を欠いたCRH-R1[CRH-R1(Δ12)]をコードする選択的スプライスバリアントの存在量を増加させていた。エストロゲンは、セリン/アルギニン-リッチスプライシング因子55(SRp55)をコードするSRSF6の発現を抑制していた。エストロゲンまたはSRp55のノックダウンのいずれかに応答したCRH-R1(Δ12)の増加は、CRHに対する細胞応答を低下させ、細胞浸潤に対するその阻害作用を妨げていた。SRp55のノックダウンは、CRH-R1エクソン9〜12内のさらなるスプライシングイベントも誘導し、一方で、SRp55の過剰発現はエストロゲン誘導性のCRH-R1(Δ12)の生成を妨げていた。ER+乳腺腫瘍ではERの腫瘍に比べCRH-R2CRH-R1(Δ12)のmRNA存在量が多く、これはSRp55をコードするmRNA存在量の低下を伴っていた。このことは、エストロゲンがCRH受容体の多様性を変化させ、CRHを介するシグナル伝達を乱すことで、ER+乳がんの病態生理に寄与していることを示唆している。

S. Lal, A. Allan, D. Markovic, R. Walker, J. Macartney, N. Europe-Finner, A. Tyson-Capper, D. K. Grammatopoulos, Estrogen Alters the Splicing of Type 1 Corticotropin-Releasing Hormone Receptor in Breast Cancer Cells. Sci. Signal. 6, ra53 (2013).

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