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JAK2のアロステリック阻害による神経膠腫増殖の遮断

Blockade of Glioma Proliferation Through Allosteric Inhibition of JAK2

Research Article

Sci. Signal., 9 July 2013
Vol. 6, Issue 283, p. ra55
[DOI: 10.1126/scisignal.2003900]

Kunyan He1*, Qi Qi1*, Chi-Bun Chan1, Ge Xiao2, Xia Liu1, Carol Tucker-Burden1, Liya Wang3, Hui Mao3, Xiang Lu4, Frank E. McDonald4, Hongbo Luo5, Qi-Wen Fan6, William A. Weiss6, Shi-Yong Sun7, Daniel J. Brat1, and Keqiang Ye1†

1 Department of Pathology and Laboratory Medicine, Emory University School of Medicine, Atlanta, GA 30322, USA.
2 Centers for Disease Control and Prevention, 4770 Buford Highway, Atlanta, GA 30341, USA.
3 Department of Radiology, Center for Systems Imaging, Emory University, Atlanta, GA 30322, USA.
4 Department of Chemistry, Emory University, Atlanta, GA 30322, USA.
5 Department of Pathology and Lab Medicine, Harvard Medical School and Children’s Hospital Boston, 10214 Karp Research Building, 1 Blackfan Circle, Boston, MA 02115, USA.
6 Department of Neurology, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
7 Department of Hematology and Medical Oncology, Winship Cancer Institute, Emory University, Atlanta, GA 30322, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: kye@emory.edu

要約:神経膠芽腫を含むヒトのがんでは、上皮成長因子受容体(EGFR)をコードする遺伝子の過剰発現または突然変異がみられることが多い。しかし、ホスファターゼ・テンシン・ホモログ(PTEN)をコードする遺伝子の突然変異または欠損も伴う神経膠芽腫では、EGFR標的低分子阻害剤またはモノクローナル抗体の有効性はわずかである。本研究では、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)と結合することにより、JAK2の媒介するEGFRおよびSTAT3(シグナル伝達性転写因子3)のリン酸化および活性を選択的に阻害する低分子(G5-7)によって、EGFRシグナル伝達が遮断され、その結果、mTOR(哺乳類ラパマイシン標的)による下流シグナル伝達活性が抑制され、細胞周期の停止が誘導されることを明らかにした。G5-7は、構成的に活性な変異EGFR(U87MG/EGFRvIII)を有するPTEN欠損神経膠芽腫細胞株およびヒト神経膠芽腫外植片のニューロスフェア培養物の増殖を阻害したが、PTEN(U87MG/PTEN)を安定的に導入したEGFR野生型神経膠芽腫細胞株や正常な神経前駆細胞および星状膠細胞の増殖に対する阻害作用は弱かった。また、G5-7は、神経膠芽腫異種移植片において血管内皮増殖因子(VEGF)の分泌および内皮細胞の遊走を抑制し、アポトーシスを誘発することにより、in vivoでの神経膠芽腫の増殖を抑制した。さらに、G5-7は、リガンドまたはアデノシン5'-三リン酸(ATP)の結合を阻害するEGFRまたはJAK2阻害剤よりも強力に神経膠芽腫細胞増殖を阻害したことから、このアロステリックなJAK2阻害剤が効果的な臨床戦略となる可能性が示された。

K. He, Q. Qi, C.-B. Chan, G. Xiao, X. Liu, C. Tucker-Burden, L. Wang, H. Mao, X. Lu, F. E. McDonald, H. Luo, Q.-W. Fan, W. A. Weiss, S.-Y. Sun, D. J. Brat, K. Ye, Blockade of Glioma Proliferation Through Allosteric Inhibition of JAK2. Sci. Signal. 6, ra55 (2013).

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