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受容体AXLはトリプルネガティブ乳がん細胞においてEGFRシグナル伝達を多様化し、EGFRを標的とする阻害薬への反応を限定する

The Receptor AXL Diversifies EGFR Signaling and Limits the Response to EGFR-Targeted Inhibitors in Triple-Negative Breast Cancer Cells

Research Article

Sci. Signal., 6 August 2013
Vol. 6, Issue 287, p. ra66
[DOI: 10.1126/scisignal.2004155]

Aaron S. Meyer1,2, Miles A. Miller1, Frank B. Gertler2,3, and Douglas A. Lauffenburger1,2,3*

1 Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
2 David H. Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
3 Department of Biology, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.

* Corresponding author. E-mail: lauffen@mit.edu

要約:薬物耐性とシグナル伝達の変化と浸潤性の表現型の出現のあいだにみられる関連は、よく認識されているが、その根底にある機構はあまり理解されていない。がん細胞株百科事典(Cancer Cell Line Encyclopedia)データベースに機械学習解析を適用することにより、われわれは、ErbBファミリーの受容体を標的とする阻害薬に反応しないことを予測する優れた予測因子として、上皮間葉転換(EMT)関連受容体チロシンキナーゼ(RTK)AXLをコードする遺伝子AXLの発現を同定した。上皮増殖因子受容体(EGFR)の活性化がAXLをトランス活性化し、この、リガンドに依存しないAXLの活性がEGFR誘導シグナル伝達を多様化し、EGFRのみによって引き起こされる経路とは別の下流経路を追加的に発生させた。AXLに仲介されるシグナル伝達の多様化は、AXL陽性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞で上皮増殖因子(EGF)によって誘発される運動反応の必要条件であった。架橋化による免疫共沈降アッセイを用いて、われわれは、AXLがEGFR、他のErbB受容体ファミリーメンバー、肝細胞増殖因子受容体(MET)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)とは会合するが、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)、インスリン受容体(INSR)とは会合しないことを特定した。これらのAXLとの相互作用データから、われわれはAXLを介するシグナル伝達と付加的RTKの相乗作用を予測し、その予測を細胞で検証した。このような受容体活性化の代替機構は、リガンドを阻害する療法の効用を限定し、耐性獲得後に阻害薬療法を中止すべきでないことを示している。さらに、EGFRを標的とする阻害薬とAXLを標的とする阻害薬の劣加法的な相互作用がすべてのAXL陽性TNBC細胞株でみられたことから、EGFR量の増加は、もっぱらトランス活性化を介するシグナル伝達のための手段となっているとも考えられる。

A. S. Meyer, M. A. Miller, F. B. Gertler, D. A. Lauffenburger, The Receptor AXL Diversifies EGFR Signaling and Limits the Response to EGFR-Targeted Inhibitors in Triple-Negative Breast Cancer Cells. Sci. Signal. 6, ra66 (2013).

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