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Aktシグナル伝達の妨害が酸化ストレスの影響を制限することで心筋梗塞と死亡から保護する

Interference with Akt Signaling Protects Against Myocardial Infarction and Death by Limiting the Consequences of Oxidative Stress

Research Article

Sci. Signal., 6 August 2013
Vol. 6, Issue 287, p. ra67
[DOI: 10.1126/scisignal.2003948]

Bethany A. Kerr1*, Lining Ma1,2*, Xiaoxia Z. West1, Liang Ding1, Nikolay L. Malinin1†, Malory E. Weber1, Mira Tischenko1, Anna Goc3,4, Payaningal R. Somanath3,4,5, Marc S. Penn6, Eugene A. Podrez1, and Tatiana V. Byzova1‡

1 Department of Molecular Cardiology, Joseph J. Jacobs Center for Thrombosis and Vascular Biology, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic, Cleveland, OH 44195, USA.
2 Cardiovascular Department, Hainan Provincial People’s Hospital, Hainan 570311, China.
3 Clinical and Experimental Therapeutics, College of Pharmacy, University of Georgia, Augusta, GA 30912, USA.
4 Charlie Norwood VA Medical Center, Augusta, GA 30904, USA.
5 Department of Medicine and Vascular Biology Center, Georgia Regents University, Augusta, GA 30904, USA.
6 Integrative Medical Sciences, Northeast Ohio Medical University, Rootstown, OH 44272, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Molecular Pharmacology and Physiology, Morsani College of Medicine, University of South Florida, Tampa, FL 33612, USA.

‡ Corresponding author. E-mail: byzovat@ccf.org

要約:Aktの下流にある経路では、複数のフィードバックループが複雑に絡み合っているため、心血管系においてこのキナーゼは複数の細胞プロセスを制御できる。またそのために、特定の病態においてAktが活性化された結果を推測することができない。心臓と血管構造の主要なAktアイソフォームであるAkt1は、アテローム性動脈硬化症の内皮において防御的な役割を果たしている。しかしAkt1の活性化は、心血管系において有害な影響を及ぼすこともある。高密度リポタンパク質受容体SR-BI(スカベンジャー受容体クラスBタイプI)とレムナントリポタンパク質のクリアランスを促進するApoE(アポリポタンパク質E)の両方を欠損するマウス(は、重度脂質代謝異常および自発性心筋梗塞のモデルである。われわれは、これらのマウスにおいてAkt1が活性化されていること、またこの活性化が心機能不全、心肥大、および線維化、梗塞巣の拡大、マクロファージ中のコレステロール蓄積とアテローム性動脈硬化症、および寿命の短縮と相関することを見いだした。Akt1の活性化は炎症、酸化ストレス、酸化脂質の蓄積、およびCD36(酸化ストレスの主要なセンサー)の存在量の増加と関連しており、このようなイベントにより、酸化ストレスの影響を悪化させるポジティブフィードバックループが形成された。このマウスモデルでAktが遺伝学的に欠損させると、死亡率が低下し、複数の心疾患の合併症が軽減し、自発的心筋梗塞の発現率が低下した。このように、in vivoにおけるAkt1シグナル伝達の妨害は、酸化脂質に対する酸化ストレスと応答を抑制することで、脂質代謝異常状態下で防御的に働き、生存率を改善できると考えられた。

B. A. Kerr, L. Ma, X. Z. West, L. Ding, N. L. Malinin, M. E. Weber, M. Tischenko, A. Goc, P. R. Somanath, M. S. Penn, E. A. Podrez, T. V. Byzova, Interference with Akt Signaling Protects Against Myocardial Infarction and Death by Limiting the Consequences of Oxidative Stress. Sci. Signal. 6, ra67 (2013).

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