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Gβγはチャネルサブユニット間のクレフトで作用してGIRK1チャネルを活性化させることが計算モデルから予測される

A Computational Model Predicts That Gβγ Acts at a Cleft Between Channel Subunits to Activate GIRK1 Channels

Research Article

Sci. Signal., 13 August 2013
Vol. 6, Issue 288, p. ra69
[DOI: 10.1126/scisignal.2004075]

Rahul Mahajan1, Junghoon Ha1, Miao Zhang1, Takeharu Kawano2*, Tohru Kozasa2, and Diomedes E. Logothetis1†

1 Department of Physiology and Biophysics, Virginia Commonwealth University School of Medicine, Richmond, VA 23298, USA.
2 Department of Pharmacology, University of Illinois at Chicago, Chicago, IL 60612, USA.

* Present address: Department of Physiology and Biophysics, Virginia Commonwealth University School of Medicine, Richmond, VA 23298, USA.

† Corresponding author. E-mail: delogothetis@vcu.edu

要約

心房性Gタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)によって調節される内向き整流性K+(GIRK1、GIRK4)ヘテロ四量体チャネルは、心拍数の迷走神経性抑制を担うアセチルコリン誘導性K+電流の基礎をなし、Gタンパク質βγサブユニット(Gβγ)によって活性化される。われわれは、GIRK1およびGβγの公表された構造のデータを用い、多段階タンパク質間ドッキング法により、GIRK1ホモ四量体の細胞質ドメインにGβγがドッキングした、実験的に検証可能な相互作用モデルを作成した。このモデルにより、Gβγが、チャネルの特異的な細胞質内ゲートであるGループゲートの開口状態を促進する機構が示唆された。予測された構造により、Gβサブユニットは、エタノールの作用部位近傍でチャネルと相互作用し、隣接するチャネルサブユニットの2つのループ(LM、DE)で形成されるサブユニット間クレフトを安定化させることが示された。異種発現系を用いて、予測されたGIRK1およびGβγの相互作用残基を、片方のタンパク質の変異によって破壊した後、もう一方のタンパク質の対応する残基の変異によって、調節活性をレスキューした。予測された相互作用残基にシステイン変異を有するチャネルとGβγのジスルフィド架橋によって、チャネルが活性化された。GIRK4のGβγ誘導性活性化の機構は、GIRK1ホモ四量体とは異なった。しかし、Gβγによって活性化されたGIRK1-GIRK4ヘテロ四量体チャネルが示した応答から、GIRK1サブユニットが応答パターンを支配することがわかった。この研究によって、計算論的手法を実験的手法と組み合わせることが、それ以外のやり方では解読が困難であるかもしれないタンパク質複合体内の相互作用の解明に、有効な方法であることが証明された。

R. Mahajan, J. Ha, M. Zhang, T. Kawano, T. Kozasa, D. E. Logothetis, A Computational Model Predicts That Gβγ Acts at a Cleft Between Channel Subunits to Activate GIRK1 Channels. Sci. Signal. 6, ra69 (2013).

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