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T細胞刺激の持続時間は細胞運命と可塑性の重要な決定因子である

The Duration of T Cell Stimulation Is a Critical Determinant of Cell Fate and Plasticity

Research Article

Sci. Signal., 5 November 2013
Vol. 6, Issue 300, p. ra97
[DOI: 10.1126/scisignal.2004217]

Natasa Miskov-Zivanov1, Michael S. Turner2*, Lawrence P. Kane2, Penelope A. Morel2†, and James R. Faeder1†

1 Department of Computational and Systems Biology, School of Medicine, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15260, USA.
2 Department of Immunology, School of Medicine, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15260, USA.

* Present address: Benaroya Research Institute at Virginia Mason, Seattle, WA 98101, USA.

† Corresponding author. E-mail: morel@pitt.edu (P.A.M.); faeder@pitt.edu (J.R.F.)

要約:T細胞受容体(TCR)のシグナル強度の変動は、下流シグナル伝達経路の活性化の違いによって示されるように、ナイーブT細胞の、抗原との遭遇後の運命を決定する。低強度シグナルは、転写因子Foxp3を含む制御性T(Treg)細胞への分化を促進する一方、高強度シグナルは、インターロイキン-2産生ヘルパーT(TH)細胞の生成を促進する。われわれは、TCRシグナル伝達経路の論理回路モデルを構築した。その主な特徴は、Foxp3のTCR依存性活性化と、哺乳類のラパマイシン標的タンパク質(mTOR)によるその阻害の両方が関わるインコヒーレントなフィードフォワードループであり、TH細胞を生成する条件下でFoxp3+細胞が一過性に出現するようになっている。実験によって、この挙動が確認され、さらに免疫抑制性サイトカインTGF-β(トランスフォーミング増殖因子–β)が、Akt-mTORシグナル伝達の持続中であっても、Treg細胞を生成できるという予測が確認された。われわれは、TGF-βを除去すると、持続的なmTOR活性によってFOXP3発現が抑制される可能性があると予測し、実験的に認められたFoxp3+細胞の不安定性の機構として考えられる機構を提案した。われわれのモデルでは、高用量の抗原を用いた細胞の一過性刺激によって、TCR刺激の持続時間に応じた割合でTH細胞、Treg細胞、非活性化細胞が生成されると予測され、実験によりそれが確認された。抗原を除去後の細胞の実験解析によって、これらのT細胞の運命と相関する3つの集団が同定された。シミュレーションのさらなる解析により、Foxp3、ホスファターゼPTEN、Akt-mTORが関わる負のフィードバックループが、運命の決定に関与することが示唆された。これらの結果から、TCR刺激後に、分化中の細胞集団の不均一性によって細胞運命の可塑性が増大するような、決定的な時間が存在することが示唆される。

N. Miskov-Zivanov, M. S. Turner, L. P. Kane, P. A. Morel, J. R. Faeder, The Duration of T Cell Stimulation Is a Critical Determinant of Cell Fate and Plasticity. Sci. Signal. 6, ra97 (2013).

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