• ホーム
  • ショウジョウバエ(Drosophila)の眼におけるRauおよびSproutyが関わる拮抗的フィードバックループが、ニューロンとグリアの分化を制御する

ショウジョウバエ(Drosophila)の眼におけるRauおよびSproutyが関わる拮抗的フィードバックループが、ニューロンとグリアの分化を制御する

Antagonistic Feedback Loops Involving Rau and Sprouty in the Drosophila Eye Control Neuronal and Glial Differentiation

Research Article

Sci. Signal., 5 November 2013
Vol. 6, Issue 300, p. ra96
[DOI: 10.1126/scisignal.2004651]

Florian Sieglitz1, Till Matzat1, Yeliz Yuva-Adyemir2, Helen Neuert1, Benjamin Altenhein3, and Christian Klämbt1*

1 Institute of Neurobiology, University of Münster, 48149 Münster, Germany.
2 Department of Neurology, University of Massachusetts Medical School, 377 Plantation Street, Worcester, MA 01605, USA.
3 Institute of Genetics, University of Mainz, 55099 Mainz, Germany.

* Corresponding author. E-mail: klaembt@uni-muenster.de

要約

発生段階では多様な受容体チロシンキナーゼ(RTK)の活性化により分化が開始されることが多く、それにより細胞質のシグナル伝達カスケードが厳密な制御下で活性化される。発生中のショウジョウバエ(Drosophila)の眼でニューロンとグリアが分化する際、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)または上皮増殖因子受容体の下流にあるRTKシグナル伝達の適正な強度が得られるためには、相互に拮抗的な2つのフィードバックループが必要なことをわれわれは見いだした。われわれは、Ras活性を持続させ、Sproutyが介する負のフィードバックループと拮抗する、Ras会合(RA)ドメイン含有タンパク質Rauを介する正のフィードバックループを同定した。Rauは、GTP(グアノシン5'-三リン酸)結合型(活性型)Rasに対して共に結合優先性を示す、2つのRAドメインを有している。Rauはホモ二量体化しており、大分子量複合体中に認められた。rauが欠損しているハエでは、網膜を覆うグリアの分化が低下し、rough eye(複眼異常)の表現型が誘導された。これはRasシグナル伝達の変化において認められたものと類似していた。さらに、FGFRが弱く(ただし構成的ではなく)活性化されている間、COUP転写因子であるSeven-upによりsproutyの発現は抑制され、rauの発現は増強された。まとめると、われわれの所見から、ショウジョウバエの眼の神経ネットワークの発達において、PTKシグナル伝達の強度を制御する、もう1つの調節機構が明らかにされた。

F. Sieglitz, T. Matzat, Y. Yuva-Adyemir, H. Neuert, B. Altenhein, C. Klämbt, Antagonistic Feedback Loops Involving Rau and Sprouty in the Drosophila Eye Control Neuronal and Glial Differentiation. Sci. Signal. 6, ra96 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2013年11月5日号

Editors' Choice

生理学
ミトコンドリア損傷による長寿

Research Article

ショウジョウバエ(Drosophila)の眼におけるRauおよびSproutyが関わる拮抗的フィードバックループが、ニューロンとグリアの分化を制御する

T細胞刺激の持続時間は細胞運命と可塑性の重要な決定因子である

Perspectives

Rasに関する相反するフィードバックが受容体型チロシンキナーゼシグナル伝達を調整する

最新のResearch Article記事

2026年02月10日号

トリプルネガティブ乳がんではmTORC2構成要素PRR5によるIQGAP1の安定化が分裂促進性のLINC01133-ERKシグナル伝達を媒介している

2026年02月10日号

急性白血病における発がん性チロシンキナーゼシグナル伝達の動的フィードバック調節

2026年02月03日号

潰瘍性大腸炎におけるサイトカインネットワークを解読して発症機構と治療標的を特定する

2026年02月03日号

胎児栄養膜細胞マーカーHLA-Gは受容体KIR2DL4を介して一次NK細胞におけるI型インターフェロン応答を活性化する

2026年01月27日号

EGFRの活性化が三叉神経のNMDA受容体の感受性を高め、口腔がんにおける疼痛とモルヒネ鎮痛耐性を促進している