• ホーム
  • in vivoにおいて、Sos1がアダプタータンパク質LATをオリゴマー化する能力は、グアニンヌクレオチド交換活性から分離できる

in vivoにおいて、Sos1がアダプタータンパク質LATをオリゴマー化する能力は、グアニンヌクレオチド交換活性から分離できる

The Ability of Sos1 to Oligomerize the Adaptor Protein LAT Is Separable from Its Guanine Nucleotide Exchange Activity in Vivo

Research Article

Sci. Signal., 12 November 2013
Vol. 6, Issue 301, p. ra99
[DOI: 10.1126/scisignal.2004494]

Robert L. Kortum, Lakshmi Balagopalan, Clayton P. Alexander, Julie Garcia, John M. Pinski, Robert K. Merrill, Phan H. Nguyen, Wenmei Li, Isha Agarwal, Itoro O. Akpan, Connie L. Sommers, and Lawrence E. Samelson*

Laboratory of Cellular and Molecular Biology, National Cancer Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

* Corresponding author. E-mail: samelsonl@helix.nih.gov

要約

グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)Sos1(Son of Sevenless 1)による低分子量GTP分解酵素Rasの活性化は、多くの受容体刺激シグナル伝達経路の中心的な特徴である。発達中のT細胞(胸腺細胞)において、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のSos1依存性の活性化は、細胞の増殖および分化を刺激するために必要である。われわれは、Sos1が、GEF活性に加えて、T細胞アダプタータンパク質LAT(T細胞を活性化するリンカー)のオリゴマー化の核を成す足場としてin vivoで働くことを示す。Sos1の足場機能は、アダプタータンパク質Grb2に対する結合能力に依存した。さらに、Sos1のGEF活性とSos1に依存するLATオリゴマー化は、in vivoで分離できる機能であった。Sos1のGEF活性が、T細胞受容体(TCR)刺激に応答した至適なERKリン酸化に必要であったのに対し、Sos1に依存するLATオリゴマー化は、ホスホリパーゼC-γ1の最大限のTCR依存性リン酸化および活性化ならびにCa2+シグナル伝達に必要であった。最後に、これらのSos1機能はいずれも初期の胸腺細胞増殖に必要であった。Sos1-欠損マウスにおいて、Sos1のGEF活性またはLATオリゴマー化機能のどちらかを遺伝子組換えにより回復させただけでは、胸腺細胞の発達は救済されなかったが、同一細胞においてこれら2つのシグナルを同時に再構築すると、正常なT細胞発達が回復した。Sos1がRasGEFとして、そしてGrb2依存性アダプターオリゴマー化の核を成す足場として働く能力は、成長因子受容体により活性化される経路など、他のGrb2依存性経路にも見出されるかもしれない。

R. L. Kortum, L. Balagopalan, C. P. Alexander, J. Garcia, J. M. Pinski, R. K. Merrill, P. H. Nguyen, W. Li, I. Agarwal, I. O. Akpan, C. L. Sommers, L. E. Samelson, The Ability of Sos1 to Oligomerize the Adaptor Protein LAT Is Separable from Its Guanine Nucleotide Exchange Activity in Vivo. Sci. Signal. 6, ra99 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2013年11月12日号

Editors' Choice

発生神経科学
p21:前駆細胞プールの保護因子

Research Article

Gタンパク質共役受容体MistおよびそのリガンドFogによる上皮形態形成の制御

in vivoにおいて、Sos1がアダプタータンパク質LATをオリゴマー化する能力は、グアニンヌクレオチド交換活性から分離できる

最新のResearch Article記事

2025年08月26日号

大腸菌(Escherichia coli)のストレス誘導性低分子タンパク質の解析により、YoaIが別個のシグナル伝達系間のクロストークを調節することが明らかに

2025年08月19日号

Hox-C12はβ2-アドレノセプターのcAMP/カルシウムフィードフォワードループとの共役を調整してトリプルネガティブ乳がんの浸潤を促進する

2025年08月19日号

アミリン受容体サブユニットの相互作用はアゴニストによって調節されシグナル伝達を決定する

2025年08月12日号

lncRNA EPIC1は、二本鎖RNAに誘導されるI型IFNシグナル伝達を抑制し、PD-1阻害に対するTNBC反応を促進するための治療標的となる

2025年08月05日号

腫瘍浸潤性の侵害受容ニューロンが免疫抑制を促進する