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ユビキチン特異的プロテアーゼUSP15はTRIM25を脱ユビキチン化することによりRIG-I媒介抗ウイルスシグナル伝達を促進する

The Ubiquitin-Specific Protease USP15 Promotes RIG-I?Mediated Antiviral Signaling by Deubiquitylating TRIM25

Research Article

Sci. Signal., 7 January 2014
Vol. 7, Issue 307, p. ra3
[DOI: 10.1126/scisignal.2004577]

Eva-Katharina Pauli1,2, Ying Kai Chan1,2, Meredith E. Davis1,2, Sebastian Gableske1,2, May K. Wang1,2, Katharina F. Feister1, and Michaela U. Gack1,2*

1 Department of Microbiology and Immunobiology, Harvard Medical School, 77 Avenue Louis Pasteur, Boston, MA 02115, USA.
2 Microbiology Division, New England Primate Research Center, Harvard Medical School, 1 Pine Hill Drive, Southborough, MA 01772, USA.

* Corresponding author. E-mail: michaela_gack@hms.harvard.edu

要約

ユビキチン化は、ウイルス感染に対する自然免疫応答を制御する重要な機構である。ユビキチンE3リガーゼ三要素モチーフタンパク質25(TRIM25)によるRNAセンサーレチノイン酸誘導性遺伝子-I(RIG-I)へのリジン63(Lys63)に結合するユビキチン鎖の接合は、RIG-Iの活性化を導き、抗ウイルスサイトカイン、インターフェロン-α(IFN-α)およびIFN-βの産生を刺激する。逆に、直鎖状ユビキチン集合複合体(LUBAC)によるTRIM25のLys48に結合するユビキチン化は、TRIM25のプロテアソームによる分解を刺激し、RIG-Iシグナル伝達経路を阻害する。本稿では、われわれは、ユビキチン特異的プロテアーゼUSP15(USP15)がTRIM25を脱ユビキチン化し、TRIM25のLUBAC依存的分解を妨げることを報告する。タンパク質精製および質量分析解析により、われわれは、ヒト細胞におけるTRIM25の相互作用パートナーとしてUSP15を同定した。特異的な低分子量干渉RNAによる内在性USP15のノックダウンは、TRIM25のユビキチン化を顕著に亢進させた。対照的に、野生型USP15の発現は、TRIM25のLys48結合ユビキチン化を減少させ、TRIM25の安定化を導いた、しかし触媒不活性型変異体ではみられなかった。さらに、USP15の異所発現は、TRIM25およびRIG-I依存的なI型IFNの産生を亢進させ、RNAウイルスの複製を抑えた。対照的に、USP15の枯渇は、IFN産生の低下を招き、ウイルスの複製を顕著に亢進させた。合わせると、これらのデータは、USP15をTRIM25およびRIG-I媒介抗ウイルス免疫応答の重要な制御因子とみなし、自然免疫シグナル伝達制御の複雑さを示した。

E.-K. Pauli, Y. K. Chan, M. E. Davis, S. Gableske, M. K. Wang, K. F. Feister, M. U. Gack, The Ubiquitin-Specific Protease USP15 Promotes RIG-I–Mediated Antiviral Signaling by Deubiquitylating TRIM25. Sci. Signal. 7, ra3 (2014).

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