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p38γとPTPN3の相互アロステリック調節にはPDZドメインにより調節される複合体形成が関与する

Reciprocal allosteric regulation of p38γ and PTPN3 involves a PDZ domain–modulated complex formation

Research Article

Sci. Signal., 14 October 2014
Vol. 7, Issue 347, p. ra98
DOI: 10.1126/scisignal.2005722

Kai-En Chen1, Shu-Yu Lin1, Mei-Ju Wu1, Meng-Ru Ho1, Abirami Santhanam1, Chia-Cheng Chou1,2, Tzu-Ching Meng1,3,*, and Andrew H. -J. Wang1,2,3,4,*

1 Institute of Biological Chemistry, Academia Sinica, Taipei 11581, Taiwan.
2 National Core Facility for Protein Structural Analysis, Academia Sinica, Taipei 11581, Taiwan.
3 Institute of Biochemical Sciences, National Taiwan University, Taipei 10717, Taiwan.
4 Graduate Institute of Translational Medicine, College of Medical Science and Technology, Taipei Medical University, Taipei 11047, Taiwan.

* Corresponding author. E-mail: tcmeng@gate.sinica.edu.tw (T.-C.M.); ahjwang@gate.sinica.edu.tw (A.H.-J.W.)

要約

マイトジェン活性化プロテインキナーゼp38γ(別名MAPK12)とその特異的ホスファターゼPTPN3(別名PTPH1)は協調的に作用し、Ras誘導性腫瘍形成を促進する。われわれはX線結晶構造解析、小角X線散乱、化学的架橋形成-質量分析法を組み合わせたハイブリッド法により、PTPN3-p38γ複合体の構造を決定した。ホスファターゼドメインのグルタミン酸含有ループ(E-ループ)の固有の特性は、完全に活性化されたp38γに対するPTPN3の基質特異性を規定していた。この溶液中構造から、p38γとPTPN3ホスファターゼドメインの間で、活性化状態の複合体が形成されることが明らかになった。PTPN3のPDZドメインは、p38γのPDZ結合モチーフとの相互作用を介して、活性化状態の複合体を安定化させた。この相互作用はPTPN3の自己阻害を緩和し、p38γの効率的なチロシン脱リン酸化を可能にしていた。われわれの所見は、抗がん治療としてPTPN3-p38γ相互作用を標的とした、構造に基づく薬物設計を可能にすると考えられる。

K.-E. Chen, S.-Y. Lin, M.-J. Wu, M.-R. Ho, A. Santhanam, C.-C. Chou, T.-C. Meng, and A. H. -J. Wang, Reciprocal allosteric regulation of p38γ and PTPN3 involves a PDZ domain-modulated complex formation. Sci. Signal. 7, ra98 (2014).

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