• ホーム
  • 二孔チャネルから得られた電位開口型Ca2+チャネルとNa+チャネルの進化に関する洞察

二孔チャネルから得られた電位開口型Ca2+チャネルとNa+チャネルの進化に関する洞察

Two-pore channels provide insight into the evolution of voltage-gated Ca2+ and Na+ channels

Research Article

Sci. Signal., 18 November 2014
Vol. 7, Issue 352, p. ra109
DOI: 10.1126/scisignal.2005450

Taufiq Rahman1,*, Xinjiang Cai2, G. Cristina Brailoiu3, Mary E. Abood4, Eugen Brailoiu5, and Sandip Patel2,*

1 Department of Pharmacology, Cambridge University, Cambridge CB2 1PD, UK.
2 Department of Cell Developmental Biology, University College London, London WC1E 6BT, UK.
3 Department of Pharmaceutical Sciences, Thomas Jefferson University School of Pharmacy, Philadelphia, PA 19107, USA.
4 Department of Anatomy and Cell Biology and Center for Substance Abuse Research, Temple University, Philadelphia, PA 19140, USA.
5 Department of Pharmacology and Center for Substance Abuse Research, Temple University, Philadelphia, PA 19140, USA.

*Corresponding author. E-mail: mtur2@cam.ac.uk (T.R.); patel.s@ucl.ac.uk (S.P.)

要約 4つのドメインからなる電位開口型Ca2+チャネルとNa+チャネル(CaV、NaV)は、神経系の機能を支えており、2つのドメインからなる原始前駆体の遺伝子内重複によって登場した可能性がある。この進化的変遷の中間体にあたるのが二孔チャネル(two-pore channel:TPC)であるかどうかを調べるために、われわれは相同性モデルTPC1を用いて分子ドッキングシミュレーションを行った。すると、細孔領域でCaVまたはNaVの拮抗物質と結合しうることが示唆された。TPC1を過剰発現するウニ卵標本および無傷細胞で、CaVまたはNaVの拮抗物質がニコチン酸アデニンジヌクオチドリン酸(NAADP)に誘発されるCa2+シグナルを遮断した。このモデルの配列解析と観察から、われわれは、動物性TPCの非標準の選択性フィルターに保存されているアスパラギン残基のカルボニル基が陽イオンを配位させる配置になっているものと予測した。対照的に、いくつかの単細胞種にみられるTPCの個々の分岐群(TPC-related:TPCR)のイオン選択性フィルターには、CaVにもっと類似した酸性残基が存在した。TPCRはCaVの拮抗物質と強く相互作用するものと予測された。われわれのデータからは、薬理学的プロファイルの「青写真」の獲得と4つのドメインからなる電位開口型イオンチャネル内のイオン選択性の変化のほうが、2つのドメインからなる古代の祖先における遺伝子内重複よりも先に起こっていたかもしれないことが示唆されている。

T. Rahman, X. Cai, G. C. Brailoiu, M. E. Abood, E. Brailoiu, and S. Patel, Two-pore channels provide insight into the evolution of voltage-gated Ca2+ and Na+ channels. Sci. Signal. 7, ra109 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年11月18日号

Editors' Choice

がん
出先でのエキソソーム内のプロセシング

Research Article

二孔チャネルから得られた電位開口型Ca2+チャネルとNa+チャネルの進化に関する洞察

PI3KβとPI3Kγの同時阻害はα-MSH依存性交感神経ドライブの増強により脂肪量を減少させる

T細胞急性リンパ芽球性白血病における一連の腫瘍抑制因子マイクロRNAの特徴付け

最新のResearch Article記事

2025年08月05日号

腫瘍浸潤性の侵害受容ニューロンが免疫抑制を促進する

2025年07月29日号

USP5はFcεRIγを脱ユビキチン化して安定化させ、IgEに誘導されるマスト細胞の活性化とアレルギー性炎症を促進する

2025年07月29日号

プロテオミクス解析により発がん性KRASシグナル伝達の標的、経路および細胞への影響を特定

2025年07月22日号

心筋細胞におけるPTP1Bの欠失は心臓の代謝シグナル伝達を変化させ、高脂肪食によって誘発される心筋症を予防する

2025年07月22日号

レポーターに基づくスクリーニングによってRAS-RAF変異を大腸がんにおける活性型RAS阻害薬耐性のドライバーとして同定