• ホーム
  • NPR2はTORC1を阻害し窒素含有代謝産物の生合成のためのグルタミンの不適切な利用を防止する

NPR2はTORC1を阻害し窒素含有代謝産物の生合成のためのグルタミンの不適切な利用を防止する

Npr2 inhibits TORC1 to prevent inappropriate utilization of glutamine for biosynthesis of nitrogen-containing metabolites

Research Article

Sci. Signal., 16 December 2014
Vol. 7, Issue 356, p. ra120
DOI: 10.1126/scisignal.2005948

Sunil Laxman*, Benjamin M. Sutter, Lei Shi, and Benjamin P. Tu

Department of Biochemistry, The University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, TX 75390-9038, USA.

† Corresponding author. E-mail: benjamin.tu@utsouthwestern.edu

* Present address: Institute for Stem Cell Biology and Regenerative Medicine, National Center for Biological Sciences Campus, GKVK, Bellary Road, Bangalore 560065, India.

要約 細胞は、予測不能な栄養環境において増殖とオートファジーの切り替えが可能でなければならない。保存されたNpr2タンパク質複合体(Iml1、Npr2およびNpr3から成り、SEACITとも呼ばれる)は、栄養豊富な条件でオートファジーを阻害するラパマイシン標的複合体1(TORC1)キナーゼシグナル伝達を阻害する。オートファジーを促進し、増殖を阻害する栄養制限培地で培養された酵母では、Npr2の欠損により、細胞がオートファジーをバイパスし、増殖することが可能となる。われわれは、窒素源としてのアンモニウムと非発酵性炭素源(乳酸)を含む最小培地で増殖した場合、Npr2欠損酵母は、野生型酵母とは異なる代謝状態をもつことを見いだした。グルタミンを蓄積する野生型酵母とは異なり、Npr2欠損酵母は、グルタミンを窒素含有代謝産物へ代謝し、高濃度のS-アデノシルメチオニン(SAM)を維持した。さらに、これらの栄養制限条件下で増殖した野生型酵母では、メチオニンの供給が、窒素代謝産物合成のためのグルタミン消費を刺激し、含硫アミノ酸刺激と窒素利用の統合を示した。これらのデータは、Npr2複合体が細胞の恒常性を調節する代謝基盤を明らかにし、窒素源としてのグルタミンの合成および利用の制御におけるTORC1の鍵となる機能を示した。

S. Laxman, B. M. Sutter, L. Shi, and B. P. Tu, Npr2 inhibits TORC1 to prevent inappropriate utilization of glutamine for biosynthesis of nitrogen-containing metabolites. Sci. Signal. 7, ra120 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年12月16日号

Editors' Choice

宿主病原体相互作用
微生物がマラリアを阻む

Research Article

HSP70は核内因子κBのp65サブユニットの分解を仲介して炎症シグナル伝達を阻害する

NPR2はTORC1を阻害し窒素含有代謝産物の生合成のためのグルタミンの不適切な利用を防止する

Research Resources

系全体のスクリーニングによるSCFβTrCPユビキチンリガーゼ基質の同定

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する