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HSP70は核内因子κBのp65サブユニットの分解を仲介して炎症シグナル伝達を阻害する

HSP70 mediates degradation of the p65 subunit of nuclear factor κB to inhibit inflammatory signaling

Research Article

Sci. Signal., 16 December 2014
Vol. 7, Issue 356, p. ra119
DOI: 10.1126/scisignal.2005533

Takashi Tanaka1,2,*, Azusa Shibazaki1, Rumiko Ono1, and Tsuneyasu Kaisho1,3,†

1 Laboratory for Inflammatory Regulation, RIKEN Center for Integrative Medical Sciences, RIKEN Research Center for Allergy and Immunology, Yokohama, Kanagawa 230-0045, Japan.
2 Precursory Research for Embryonic Science and Technology, Japan Science and Technology Agency, Kawaguchi, Saitama 332-0012, Japan.
3 Laboratory for Immune Regulation, World Premier International Research Center Initiative, Immunology Frontier Research Center, Osaka University, Suita, Osaka 565-0871, Japan.

* Corresponding author. E-mail: takashi.tanaka@riken.jp

† Present address: Department of Immunology, Institute of Advanced Medicine, Wakayama Medical University, Wakayama 641-8509, Japan.

要約 核内PDZ-LIMドメインタンパク質PDLIM2は、転写因子である核内因子κB(NF-κB)のp65サブユニットを分解の標的とするユビキチンE3リガーゼとして作用し、それによって過剰な炎症応答を阻止する。われわれは、リポ多糖(LPS)で処理した樹状細胞において、PDLIM2を介するp65の分解とNF-κBシグナル伝達の抑制に、シャペロンタンパク質HSP70(70 kDの熱ショックタンパク質)が必要であることを見出した。LPSに応答して、HSP70は核に移行し、そこでPDLIM2およびプロテアソーム関連タンパク質BAG-1(BCL2-associated athanogene 1)と結合し、NF-κB-PDLIM2複合体のプロテアソームへの輸送を進めることによって、p65の分解を促進した。これらのデータと一致して、HSP70またはBAG-1のいずれかを欠損したマウス樹状細胞には、野生型樹状細胞と比べて、多くの核内p65が存在し、多くの炎症性サイトカインが産生された。さらに、HSP70欠損マウスでは、野生型マウスと比べて、細菌感染に対する炎症応答がより持続した。これらのデータから、HSP70は、タンパク質フォールディング時のシャペロンとして作用するだけでなく、ユビキチンE3リガーゼとプロテアソームの橋渡しとして作用することによって、炎症促進性NF-κBシグナル伝達の阻害に役割を果たすことが示唆される。

T. Tanaka, A. Shibazaki, R. Ono, and T. Kaisho, HSP70 mediates degradation of the p65 subunit of nuclear factor κB to inhibit inflammatory signaling. Sci. Signal. 7, ra119 (2014).

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