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c-di-GMPモジュレーターの直接的スクリーニングによりネズミチフス菌ペリプラズムのL-アルギニン感知経路を解明

A direct screen for c-di-GMP modulators reveals a Salmonella Typhimurium periplasmic L-arginine–sensing pathway

Research Article

Sci. Signal., 9 June 2015
Vol. 8, Issue 380, p. ra57
DOI: 10.1126/scisignal.aaa1796

Erez Mills*, Erik Petersen*, Bridget R. Kulasekara, and Samuel I. Miller

Departments of Microbiology, Medicinal Chemistry, Genome Sciences, Immunology, and Medicine, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.

† Corresponding author. E-mail: millersi@uw.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約  サイクリックdi-GMP(c-di-GMP)は内部および外部シグナルを伝達し、細菌の運動とバイオフィルムの形成を制御する細菌性セカンドメッセンジャーである。一部の生物は100種を超えるc-di-GMP調節性酵素をコードしているが、その活性を調節しているシグナルが明らかになっている酵素は僅かである。われわれは、ネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)でc-di-GMP濃度を調節しているシグナルをスクリーニングするため、遊離c-di-GMPの蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのバイオセンサーを用いた、ハイスループットのリアルタイム・フローサイトメトリー法を開発して応用した。その結果、FRETシグナルを調節、すなわち遊離c-di-GMP濃度を調節している、グルコース、N-アセチル-D-グルコサミン、サリチル酸およびL-アルギニンを含む複数の化合物を特定した。また、突然変異体のライブラリーのスクリーニングにより、c-di-GMPが各化合物に応答するために必要なタンパク質を特定した。さらに、低マイクロモル濃度のL-アルギニンは、翻訳非依存性のc-di-GMP濃度およびc-di-GMP依存性セルロース合成の速やかな増加を誘発し、これらはジグアニル酸シクラーゼSTM1987の調節性のペリプラズムドメインを必要とする応答であった。L-アルギニンのシグナル伝達はペリプラズムの推定上のL-アルギニン結合タンパク質ArtIも必要とし、このことは、L-アルギニン感知がペリプラズムで生じていることを示していた。広く用いられている20種のアミノ酸のうち、ネズミチフス菌はL-アルギニンに特異的に反応してc-di-GMPを増加させた。このことは、ネズミチフス菌感染においてL-アルギニンがシグナルとして働く可能性を示唆している。われわれの結果は、環境シグナルを同定して微生物の挙動を変化させる経路を明らかにするために、セカンドメッセンジャーのバイオセンサーを利用できることを示している。

E. Mills, E. Petersen, B. R. Kulasekara, and S. I. Miller, A direct screen for c-di-GMP modulators reveals a Salmonella Typhimurium periplasmic L-arginine–sensing pathway. Sci. Signal. 8, ra57 (2015).

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