• ホーム
  • TLR4活性化において単一細胞シグナル伝達の異なる特性はMyD88およびTRIF経路により付与される

TLR4活性化において単一細胞シグナル伝達の異なる特性はMyD88およびTRIF経路により付与される

Distinct single-cell signaling characteristics are conferred by the MyD88 and TRIF pathways during TLR4 activation

Research Article

Sci. Signal. 14 Jul 2015:
Vol. 8, Issue 385, pp. ra69
DOI: 10.1126/scisignal.aaa5208

Zhang Cheng1,2,*, Brooks Taylor1,2,*, Diana R. Ourthiague2, and Alexander Hoffmann1,2,†

1 Institute for Quantitative and Computational Biosciences and Department of Microbiology, Immunology, and Molecular Genetics, University of California, Los Angeles, Los Angeles, CA 90025, USA.
2 San Diego Center for Systems Biology and Department of Chemistry and Biochemistry, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA 92093, USA.

† Corresponding author. E-mail: ahoffmann@ucla.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約 Toll様受容体(TLR)は、特定の病原体関連分子パターンを認識し、アダプタータンパク質MyD88(myeloid differentiation marker 88、ミエロイド分化マーカー88)またはTRIF(TIR domain-containing adaptor protein-inducing interferon-β、TIRドメイン含有アダプタータンパク質誘導インターフェロンβ)に依存するシグナル伝達経路を通して自然免疫応答を開始させる。TLR4は特に、両方のアダプタータンパク質を用いて転写因子核因子κB(NF-κB)を活性化させる。しかし、これらの2つの経路の特異性および重複性はまだ明らかにされていない。われわれは、数学モデルを開発し、それぞれの経路がどのようにしてNF-κB活性の異なる力学的特性をコードするか、単一細胞の測定において観察される高い可変性に寄与するかを示した。細胞表面で受容体と会合するMyD88周囲の高分子シグナル伝達プラットホームの集合体は、信頼性のあるデジタルのNF-κBシグナルを生み出す初回反応のタイミングを決定した。対照的に、リガンド誘導性のエンドソームへの受容体内在化は、ノイズがあり遅延しているが持続性のあるNF-κBシグナルをTRIFを通して生み出した。反復性の数学モデルの開発により、われわれは、MyD88およびTRIFを介した経路が、病原体の脅威に関する情報を伝達するリガンド濃度依存性シグナル伝達の力学を提供する分子機構を予測した。

Citation: Z. Cheng, B. Taylor, D. R. Ourthiague, A. Hoffmann, Distinct single-cell signaling characteristics are conferred by the MyD88 and TRIF pathways during TLR4 activation. Sci. Signal. 8, ra69 (2015).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2015年7月14日号

Editors' Choice

生理学
定期的な食事制限が健康を増進する

Research Article

TLR4活性化において単一細胞シグナル伝達の異なる特性はMyD88およびTRIF経路により付与される

ヘパラン硫酸プロテオグリカンの内皮トランスグルタミナーゼ-2との相互作用はVEGF165誘導性血管新生を制限する

Reviews

幹細胞を蓄える:成体の消化管において修復、異形成および腫瘍形成を刺激する分化細胞の再プログラミング

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する