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胸腺細胞の発生およびT細胞の恒常性におけるCavβ2およびCav1チャネルの不可欠な役割

Essential roles for Cavβ2 and Cav1 channels in thymocyte development and T cell homeostasis

Research Article

Sci. Signal. 20 Oct 2015:
Vol. 8, Issue 399, pp. ra103
DOI: 10.1126/scisignal.aac7538

Archana Jha1,*, Ashish K. Singh1,*, Petra Weissgerber2, Marc Freichel3, Veit Flockerzi2, Richard A. Flavell4, and Mithilesh K. Jha1,†

1 Trudeau Institute, Saranac Lake, NY 12983, USA.
2 Institute of Experimental and Clinical Pharmacology and Toxicology, Saarland University, 66421 Homburg, Germany.
3 Department of Pharmacology, Heidelberg University, Im Neuenheimer Feld 366, 69120 Heidelberg, Germany.
4 Howard Hughes Medical Institute, Department of Immunobiology, Yale University School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.

† Corresponding author. E-mail: mkjha98@gmail.com

* These authors contributed equally to this work.

要約 カルシウムイオン(Ca2+)は、胸腺におけるT細胞の発生分化を含む多くのシグナル伝達過程に重要である。われわれは、胸腺細胞の電位依存性Ca2+(Cav)チャネルを構成するポア形成αサブユニットおよび調節βサブユニットに複数の種類があることを報告する。マウスにおいて、Cavチャネルのβ2調節サブユニットをコードする遺伝子(Cacnb2)のT細胞特異的欠失は、Cav1.2およびCav1.3チャネル(どちらもポア形成α1サブユニットを含む)の存在量を減少させ、T細胞の発生を損ない、それにより胸腺細胞および末梢T細胞数の大幅な減少を導いた。Cacnb2欠損の効果と同様に、ポア形成Cav1αサブユニットの薬理学的遮断は、T細胞受容体の刺激による胸腺細胞の持続的なCa2+流入を減少させ、転写因子NFATc3の存在量を減少させ、in vitroで胸腺細胞の増殖を阻害し、マウスにおいてリンパ球減少を引き起こした。まとめると、われわれのデータは、Cav1チャネルがT細胞の発生に必要とされる持続性Ca2+流入のための導管であることを示唆している。

Citation: A. Jha, A. K. Singh, P. Weissgerber, M. Freichel, V. Flockerzi, R. A. Flavell, M. K. Jha, Essential roles for Cavβ2 and Cav1 channels in thymocyte development and T cell homeostasis. Sci. Signal. 8, ra103 (2015).

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