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HIV感染者の免疫応答におけるサイトカイン・ケモカインネットワークのCD4+ T細胞依存性およびCD4+ T細胞非依存性の変化

CD4+ T cell–dependent and CD4+ T cell–independent cytokine-chemokine network changes in the immune responses of HIV-infected individuals

Research Article

Sci. Signal. 20 Oct 2015:
Vol. 8, Issue 399, pp. ra104
DOI: 10.1126/scisignal.aab0808

Kelly B. Arnold1,*, Gregory L. Szeto1,2,3,4,*, Galit Alter2, Darrell J. Irvine1,2,3,4,5,†, and Douglas A. Lauffenburger1,†

1 Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
2 Ragon Institute of MGH, MIT, and Harvard, Cambridge, MA 02139, USA.
3 The David H. Koch Institute for Integrative Cancer Research, Cambridge, MA 02139, USA.
4 Department of Materials Science and Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
5 Howard Hughes Medical Institute, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.

† Corresponding author. E-mail: djirvine@mit.edu (D.J.I.); lauffen@mit.edu (D.A.L.)

* These authors contributed equally to this work.

要約  HIV感染者の免疫系にみられる致命的欠損はCD4+ T細胞の減少であり、その結果免疫応答が低下する。われわれは、HIV-1+患者の免疫応答にはCD4+ T細胞に依存する変化と依存しない変化があると仮定した。この仮定を検証するため、HIV+ドナー由来、健常ドナー由来、CD4+ T細胞を実験的に枯渇させた健常ドナー由来の末梢血単核球(PBMC)を刺激し、サイトカインおよびケモカインの分泌を解析した。3種類の刺激(T細胞を刺激する抗体コーティングビーズ、自然免疫細胞を刺激するR848またはリポ多糖)を加えてから6時間後および72時間後の時点で16種類のサイトカインおよびケモカインについて多変量解析を行うことにより、分泌プロファイルの統合解析を行うことができた。HIV+ PBMCでみられた次の2つの大きな作用が、CD4+ T細胞を枯渇させた健常ドナー由来のPBMCでは再現されなかった。(i)HIV+ PBMCでは、T細胞を刺激したあと、T細胞関連の分泌プロファイルが維持された。(ii)HIV+ PBMCでは、自然免疫を刺激したあと、早期のインターフェロンγ(IFN-γ)分泌が損なわれた。これらの変化はそれぞれ、T細胞の機能亢進とナチュラルキラー(NK)細胞の衰弱に起因した。モデリングと実験では、早期のIFN-γ分泌がin vitroにおけるその後の分泌プロファイルの差を予測することが示された。この作用は、IFN-γ受容体を阻害することによって健常なPBMCでも再現された。このようにわれわれは、HIV感染者のNK細胞応答に、CD4+ T細胞の枯渇に依存せず、分泌プロファイルを方向づける重大な欠損を同定した。今回の知見は、多細胞・多変量シグナル伝達ネットワークにおける主な疾患関連ノードを同定するための広範な方法の一例を示している。

Citation: K. B. Arnold, G. L. Szeto, G. Alter, D. J. Irvine, D. A. Lauffenburger, CD4+ T cell– dependent and CD4+ T cell–independent cytokine-chemokine network changes in the immune responses of HIV-infected individuals. Sci. Signal. 8, ra104 (2015).

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