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機械的感知の異常とコフィリンの活性化がマウスの上行大動脈瘤の進行を促進する

Abnormal mechanosensing and cofilin activation promote the progression of ascending aortic aneurysms in mice

Research Article

Sci. Signal. 20 Oct 2015:
Vol. 8, Issue 399, pp. ra105
DOI: 10.1126/scisignal.aab3141

Yoshito Yamashiro1,*, Christina L. Papke1,†, Jungsil Kim2,†, Lea-Jeanne Ringuette3,†, Qing-Jun Zhang4, Zhi-Ping Liu4, Hamid Mirzaei5, Jessica E. Wagenseil2, Elaine C. Davis3, and Hiromi Yanagisawa1,6,‡

1 Department of Molecular Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
2 Department of Mechanical Engineering and Materials Science, Washington University, St. Louis, MO 63130, USA.
3 Department of Anatomy and Cell Biology, McGill University, Montreal, Quebec H3A 0C7, Canada.
4 Department of Internal Medicine, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
5 Department of Biochemistry and Proteomics Core Unit, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
6 Life Science Center of Tsukuba Advanced Research Alliance, University of Tsukuba, Tsukuba 305-8577, Japan.

‡ Corresponding author. E-mail:hkyanagisawa@tara.tsukuba.ac.jp

* Present address: Life Science Center of Tsukuba Advanced Research Alliance, University of Tsukuba, Tsukuba 305-8577, Japan.

† These authors contributed equally to this work.

要約  平滑筋細胞(SMC)と細胞外マトリックス(ECM)は、大動脈壁において密接に結び付いている。血管ECMの構成成分であるフィビュリン-4をコードするFbln4遺伝子のSMC特異的欠失を有するFbln4SMKOマウスには、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の存在量が増加した上行大動脈瘤が発生する。生後1ヵ月以内にアンジオテンシンIIシグナル伝達を阻害すると、動脈瘤の発生が阻止される。われわれは、生後1日目(P1)からP30までのマウスから得たFbln4SMKO大動脈の比較プロテオミクス解析を行い、動脈瘤の発生と拡大に関与する主要な分子を同定した。P14には、アクチン脱重合因子であるコフィリンが脱リン酸化され、それにより活性化された。P7では、コフィリンの活性化因子であるslingshot-1(SSH1)ホスファターゼの存在量が増加し、アクチン細胞骨格リモデリングがおきていた。また、P7までに、生体力学的変化と弾性板‐SMC結合の発達不全が明らかになり、ACE発現を刺激する機械感受性転写因子である初期増殖応答1(Egr1)の存在量が増加し、続いてACE存在量とコフィリン活性化が増加した。P7でSMCのFbln4を生後欠失させると、コフィリン活性化と動脈瘤形成が阻止されたことから、これらの過程には、弾性板‐SMC結合の破壊が必要であることが示唆された。ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)は、アンジオテンシンII介在性のSSH1活性化に関与しており、P7からP30までPI3K阻害剤を投与すると、SSH1存在量が低下し、動脈瘤が予防された。これらの結果から、動脈瘤形成は、弾性板‐SMC結合の喪失と、SSH1およびコフィリン活性の増加に起因する、SMCの異常な機械的感知によって生じることが示唆されており、これらの経路が、上行大動脈瘤の治療のための標的候補となる可能性がある。

Citation: Y. Yamashiro, C. L. Papke, J. Kim, L.-J. Ringuette, Q.-J. Zhang, Z.-P. Liu, H. Mirzaei, J. E. Wagenseil, E. C. Davis, H. Yanagisawa, Abnormal mechanosensing and cofilin activation promotes the progression of ascending aortic aneurysms in mice. Sci. Signal. 8, ra105 (2015).

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