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GyrBをAMP化し、フィラメント形成を促進することによってバクテリアDNA複製を阻害する酵素としてFic-1を同定

Identification of Fic-1 as an enzyme that inhibits bacterial DNA replication by AMPylating GyrB, promoting filament formation

Research Article

Sci. Signal. 26 Jan 2016:
Vol. 9, Issue 412, pp. ra11
DOI: 10.1126/scisignal.aad0446

Canhua Lu1,2, Ernesto S. Nakayasu3,*, Li-Qun Zhang1,†, and Zhao-Qing Luo2,†

1 Department of Plant Pathology, China Agricultural University, Beijing 100193, China.
2 Department of Biological Sciences, Purdue University, West Lafayette, IN 47907, USA.
3 The Bindley Bioscience Center, Purdue University, West Lafayette, IN 47907, USA.

† Corresponding author. E-mail: zhanglq@cau.edu.cn (L.-Q.Z.); luoz@purdue.edu (Z.-Q.L.)

* Present address: Biological Sciences Division, Pacific Northwest National Laboratory, Richland, WA 99352, USA.

要約  バクテリア細胞の形態は、病原性、宿主免疫系の回避、環境ストレスへの対処に重要である。広く分布しているFic(filamentation induced by cAMP、cAMPに誘導されるフィラメント形成)タンパク質は、HPFx[D/E]GN[G/K]Rモチーフの存在を理由に、細胞分裂に関連するタンパク質として注釈が付けられている。われわれは蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)由来のFic-1の存在下で、大腸菌(Escherichia coli)または蛍光菌で発現させたプラスミドDNAの生産量が著しく減少することを示した。Fic-1は、バクテリアDNA複製に不可欠な、DNAジャイレースのサブユニットであるGyrBと相互作用した。Fic-1は、ATPとの結合に重要となるGyrBのTyr109残基のAMP化を触媒し、かつ自己AMP活性を呈した。Fic-1の自己AMP化部位を変異させると、Fic-1自身に対するAMP化活性もGyrBに対するAMP化活性も大幅に低下した。Fic-1に依存したGyrBのAMP化は、DNA複製ストレスやDNA損傷を示唆するSOS応答を引き起こした。また、SOS応答を阻害すると、Fic-1は伸長細胞の形成を促進した。われわれは、Fic-1のすぐ上流の遺伝子にコードされたα阻害タンパク質を同定し、抗Fic-1(AntF)と名付けた。AntFはFic-1と相互作用し、in vitroでGyrBに対するFic-1のAMP化活性を阻害し、細菌においてFic-1によるDNA複製の阻害を遮断したことから、Fic-1とAntFは毒素-抗毒素モジュールを構成しているものと示唆された。われわれの研究は、Fic-1がGyrBを標的とするAMP化酵素としてDNA複製を阻害すること、また、他のタンパク質を標的として細菌の形態を調整している可能性があることを立証している。

Citation: C. Lu, E. S. Nakayasu, L.-Q. Zhang, Z.-Q. Luo, Identification of Fic-1 as an enzyme that inhibits bacterial DNA replication by AMPylating GyrB, promoting filament formation. Sci. Signal. 9, ra11 (2016).

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