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キナーゼMEK1およびMEK2の機能的冗長性:Mek2のノックインによるMek1変異体の表現型の救済はタンパク質の閾値効果を明らかにする

Functional redundancy of the kinases MEK1 and MEK2: Rescue of the Mek1 mutant phenotype by Mek2 knock-in reveals a protein threshold effect

Research Article

Sci. Signal. 26 Jan 2016:
Vol. 9, Issue 412, pp. ra9
DOI: 10.1126/scisignal.aad5658

Rifdat Aoidi1, Annie Maltais1, and Jean Charron1,2,*

1 Centre de recherche sur le cancer de l’Université Laval, Centre de recherche du CHU de Québec, L’Hôtel-Dieu de Québec, Québec, Québec G1R 3S3, Canada.
2 Department of Molecular Biology, Medical Biochemistry and Pathology, Université Laval, Québec, Québec G1V 0A6, Canada.

* Corresponding author. E-mail: jean.charron@crhdq.ulaval.ca

要約  哺乳類のゲノムには、2つのマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)キナーゼ(MEK)をコードする遺伝子、Mek1およびMek2が含まれる。MEKは、2つの細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)アイソフォーム、ERK1およびERK2をリン酸化し、活性化する。Mek1−/−胚が胎盤異常により致死であるのに対し、Mek2−/−マウスは、生存し、正常寿命と生殖能力を示すことから、MEK1はMEK2と共有しない機能を持つことが示唆された。しかしながら、ほとんどのMek1+/−Mek2+/−胚も胎盤異常で致死となることから、両方のMek遺伝子が胎盤発生に寄与することが示されていた。われわれは、Mek1およびMek2遺伝子の機能的特異性を評価するため、Mek1調節配列の制御下にMek2コード配列を配置したMek1ノックイン対立遺伝子(Mek12対立遺伝子)を作製した。Mek12/2マウスは生存し、明らかな表現型は示さなかったことから、MEK2による救済と2つのMEKタンパク質間の機能的冗長性が示された。しかしながら、Mek1対立遺伝子の一方のみMek2を持ち、他方はMek1ヌル対立遺伝子であるMek12/−胚は、異常胎盤により致死となり、遺伝子量効果が示唆された。一連のMek1 Mek2対立遺伝子マウスの解析により、胎盤の表現型の発症は、産生されるMEKアイソフォームに非依存的であり、MEKタンパク質の量と相関することが明らかとなった。このように、MEK1およびMEK2は、互いに置換可能であるが、MEKの最小量は、胎盤発生および胚の生存に重要である。

Citation: R. Aoidi, A. Maltais, J. Charron, Functional redundancy of the kinases MEK1 and MEK2: Rescue of the Mek1 mutant phenotype by Mek2 knock-in reveals a protein threshold effect. Sci. Signal. 9, ra9 (2016).

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