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MEK/ERKモジュールを介する状況特異的なフローがERK単一および二重リン酸化の細胞およびリガンド特異的なパターンを生み出す

Context-specific flow through the MEK/ERK module produces cell- and ligand-specific patterns of ERK single and double phosphorylation

Research Article

Sci. Signal. 02 Feb 2016:
Vol. 9, Issue 413, pp. ra13
DOI: 10.1126/scisignal.aab1967

Nao Iwamoto1,*, Lorenza A. D’Alessandro1,*, Sofia Depner1,*, Bettina Hahn2, Bernhard A. Kramer1, Philippe Lucarelli1, Artyom Vlasov1, Markus Stepath1, Martin E. Böhm1, Daniela Deharde3, Georg Damm3, Daniel Seehofer3, Wolf D. Lehmann1,2, Ursula Klingmüller1,4,*, and Marcel Schilling1,*,†

1 Division Systems Biology of Signal Transduction, German Cancer Research Center (DKFZ), Im Neuenheimer Feld 280, 69120 Heidelberg, Germany.
2 Molecular Structure Analysis, German Cancer Research Center (DKFZ), Im Neuenheimer Feld 280, 69120 Heidelberg, Germany.
3 Department of General, Visceral and Transplantation Surgery, Campus Virchow Clinic, Charité—University Medicine Berlin, Augustenburger Platz 1, 13353 Berlin, Germany.
4 Translational Lung Research Center (TLRC), Member of the German Center for Lung Research (DZL), 69120 Heidelberg, Germany.

† Corresponding author. E-mail: m.schilling@dkfz.de

* These authors contributed equally to this work.

要約  マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路のように、同じ経路が、刺激または細胞種に応じて異なる細胞応答を生み出すことがある。われわれは、肝細胞増殖因子またはインターロイキン-6に曝露した初代培養肝細胞と形質転換ケラチノサイト細胞株HaCaT A5において、MAPKキナーゼMEKとその標的である細胞外シグナル制御キナーゼ1および2(ERK1/2)のリン酸化のダイナミクスを検討した。定量的質量分析を動的モデリングと併用することにより、両細胞種におけるERKの可逆的トレオニンおよびチロシンリン酸化のネットワーク構造を解明した。リン酸化・脱リン酸化反応の違いに加えて、HaCaTネットワークモデルには2つのフィードバック機構が必要であり、これらの機構には、実験データから示唆されたところによると、二重特異性ホスファターゼDUSP6と足場タンパク質パキシリンの誘導が関与していた。われわれは、二重リン酸化された活性型のERK1/2の集積と、一リン酸化型のERK1/2における変化のダイナミクスを測定し、モデルを作成した。ERK1/2のリン酸化型の分布における変化のダイナミクスの違いをモデリングすると、MEK活性量の差が状況特異的な応答を引き起こし、初代培養肝細胞は二重リン酸化ERK1/2の形成を促進し、HaCaT A5細胞はトレオニンリン酸化型と二重リン酸化型の両方を生成することが示唆された。これらのリン酸化分布の違いによって、ERK応答の閾値、感度、飽和に説明がついた。差次的なERKリン酸化プロファイルの結果を、さらに5つの培養細胞系と、対応した肝腫瘍と正常組織に拡張したところ、リン酸化ERKのさまざまな型の状況特異的なパターンが明らかになった。

Citation: N. Iwamoto, L. A. D'Alessandro, S. Depner, B. Hahn, B. A. Kramer, P. Lucarelli, A. Vlasov, M. Stepath, M. E. Böhm, D. Deharde, G. Damm, D. Seehofer, W. D. Lehmann, U. Klingmüller, M. Schilling, Context-specific flow through the MEK/ERK module produces cell- and ligand-specific patterns of ERK single and double phosphorylation. Sci. Signal. 9, ra13 (2016).

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