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自然免疫の記憶と恒常性はTLR3経路とTLR7経路とのクロストークを通じて取得される可能性がある

Innate immune memory and homeostasis may be conferred through crosstalk between the TLR3 and TLR7 pathways

Research Article

Sci. Signal. 12 Jul 2016:
Vol. 9, Issue 436, pp. ra70
DOI: 10.1126/scisignal.aac9340

Bing Liu1,*, Qian Liu2,*, Lei Yang2, Sucheendra K. Palaniappan3, Ivet Bahar1, P. S. Thiagarajan4,†, and Jeak Ling Ding2,†

1 Department of Computational and Systems Biology, School of Medicine, University of Pittsburgh, PA 15220, USA.
2 Department of Biological Sciences, Faculty of Science, National University of Singapore, Singapore 117543, Singapore.
3 INRIA, Campus de Beaulieu, 35042 Rennes, France.
4 Laboratory of Systems Pharmacology, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

Corresponding author. Email: thiagu@hms.harvard.edu (P.S.T.); dbsdjl@nus.edu.sg (J.L.D.)

* These authors contributed equally to this work.

要約  Toll様受容体(TLR)は病原体関連分子パターン(PAMP)を認識し、サイトカインの産生を介して自然免疫応答を刺激する。自然免疫の応答は、PAMPに遭遇するタイミングに左右されることから、短期的な「記憶」の存在が示唆されている。とくにTLR3は、活性化されるとマクロファージを刺激し、その後のTLR7の活性化を促すことによって、サイトカインの産生を相乗的に増加させるものと思われる。TLR3とTLR7の経路間クロストークの動態を示す較正済みの数理モデルを開発し、実験によって検証することによって、われわれは、サイトカインの相乗的な産生の調節にヤヌス活性化キナーゼ(JAK)–シグナル伝達性転写活性化因子(STAT)経路が関与していることを示した。この経路を介したシグナル伝達は2つの役割を担っていた。すなわち、サイトカインの相乗的な産生を媒介し、それによって免疫応答をブーストする役割と、恒常性を維持して過剰な炎症反応を回避する役割である。このように、われわれは、JAK-STAT経路がサイトカインのレオスタット機構として働いており、そのおかげで、TLR3経路とTLR7経路が関与する感染イベントが個々のタイミングで複数発生した場合のマクロファージの応答について微調整が可能になっていることを提唱する。

Citation: B. Liu, Q. Liu, L. Yang, S. K. Palaniappan, I. Bahar, P. S. Thiagarajan, J. L. Ding, Innate immune memory and homeostasis may be conferred through crosstalk between the TLR3 and TLR7 pathways. Sci. Signal. 9, ra70 (2016).

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