• ホーム
  • セリン536のリン酸化によるNF-κB p65活性の負の調節

セリン536のリン酸化によるNF-κB p65活性の負の調節

Negative regulation of NF-κB p65 activity by serine 536 phosphorylation

Research Article

Sci. Signal. 23 Aug 2016:
Vol. 9, Issue 442, pp. ra85
DOI: 10.1126/scisignal.aab2820

Jean-Philippe Pradère1, Céline Hernandez1, Christiane Koppe2, Richard A. Friedman3, Tom Luedde2, and Robert F. Schwabe1,*

1 Department of Medicine, Columbia University, New York, NY 10032, USA.
2 Department of Medicine III, University Hospital RWTH Aachen, 52074 Aachen, Germany.
3 Biomedical Informatics Shared Resource, Herbert Irving Comprehensive Cancer Center and Department of Biomedical Informatics, Columbia University, New York, NY 10032, USA.

* Corresponding author. Email: rfs2102@cumc.columbia.edu

要約  核因子κB(NF-κB)は炎症および細胞死のマスター制御因子である。NF-κBの活性の大半は、κB阻害因子(IκB)キナーゼ(IKK)依存性のIκB分解を通じて制御されている一方、IKKはNF-κBのサブユニットをリン酸化もしている。われわれは、NF-κBの活性化および核移行に必要であると考えられている、IKKリン酸化部位であるセリン536(Ser536)でのNF-κBサブユニットp65のリン酸化の、ヒトにおける寄与を検討した。534部位でアラニンからセリンへの置換を有する変異体p65(ヒトSer536のマウスホモログ)を発現しているノックインマウス(S534Aマウス)を用いた実験から、マウスへの炎症刺激性リポ多糖(LPS)の注射またはγ線照射の後、NF-κB依存性遺伝子の発現が亢進することを観察した。またこの遺伝子発現の亢進は遅い時点で最も顕著であった。S534Aマウスは野生型マウスに比べ、LPS注射後の死亡率が高かった。S534AマウスにおけるNF-κBシグナル伝達の亢進は、S534A p65タンパク質の安定性がSer534-リン酸化した野生型タンパク質の安定性よりも高いことにより、少なくとも部分的に説明することができた。まとめると、われわれの結果は、マウスにおけるp65のSer534リン酸化(並びにその延長としてヒトp65のSer536リン酸化)はその核移行には不要であるが、NF-κBシグナル伝達を阻害して有害な炎症を抑制することを示唆している。

Citation: J.-P. Pradère, C. Hernandez, C. Koppe, R. A. Friedman, T. Luedde, R. F. Schwabe, Negative regulation of NF-κB p65 activity by serine 536 phosphorylation. Sci. Signal. 9, ra85 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年8月23日号

Editor's Choice

ウォーミングアップのためのシグナル

Research Article

動的なDNAメチル化はニューロンの内在的膜興奮性を調節する

RasおよびTGF-βシグナル伝達はΔNp63転写プログラムを推進することによってがんの進行を促進する

セリン536のリン酸化によるNF-κB p65活性の負の調節

最新のResearch Article記事

2020年5月19日号

細胞外マトリックスタンパク質TasAは枯草菌(Bacillus subtilis)バイオフィルム内の運動性亜集団を維持する発生シグナルである

プロテインキナーゼAによる制御ネットワークは短命および長命の細胞記憶をコードする

2020年5月12日号

死を誘導するRIPK1活性はpH環境によって調整される

CD2シグナル伝達のホスホプロテオミクスは細胞傷害性T細胞における溶解顆粒極性化のAMPK依存性調節を明らかにする

2020年5月5日号

脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される