• ホーム
  • 環状di-GMP結合アダプタータンパク質は走化性メチルトランスフェラーゼと相互作用して鞭毛モーターの回転方向の切り替えを調節する

環状di-GMP結合アダプタータンパク質は走化性メチルトランスフェラーゼと相互作用して鞭毛モーターの回転方向の切り替えを調節する

A cyclic di-GMP–binding adaptor protein interacts with a chemotaxis methyltransferase to control flagellar motor switching

Research Article

Sci. Signal. 18 Oct 2016:
Vol. 9, Issue 450, pp. ra102
DOI: 10.1126/scisignal.aaf7584

Linghui Xu1,2,*, Lingyi Xin1,*, Yukai Zeng3, Joey Kuok Hoong Yam4,5, Yichen Ding4,5, Prabhadevi Venkataramani1, Qing Wei Cheang1, Xiaobei Yang2, Xuhua Tang6, Lian-Hui Zhang7, Keng-Hwee Chiam3,Liang Yang1,4,†, and Zhao-Xun Liang1,†

1 School of Biological Sciences, Nanyang Technological University, 60 Nanyang Drive, Singapore 637551, Singapore.
2 Guangdong Innovative and Entrepreneurial Research Team of Sociomicrobiology Basic Science and Frontier Technology, Integrative Microbiology Research Centre, South China Agricultural University, Guangzhou 510642, China.
3 Bioinformatics Institute, Agency for Science, Technology and Research (A*STAR), 30 Biopolis Street, #07-01, Singapore 138671, Singapore.
4 Singapore Centre for Environmental Life Sciences Engineering, Nanyang Technological University, 60 Nanyang Drive, Singapore 637551, Singapore.
5 Interdisciplinary Graduate School, Nanyang Technological University, Singapore 637551, Singapore.
6 Institute of Molecular and Cell Biology, A*STAR, 61 Biopolis Drive, Singapore 138673, Singapore.
7 Integrative Microbiology Research Centre, Guangdong Province Key Laboratory of Microbial Signals and Disease Control, South China Agricultural University, Guangzhou 510642, China.

† Corresponding author. Email: zxliang@ntu.edu.sg (Z.-X.L.); yangliang@ntu.edu.sg (L.Y.)

* These authors contributed equally to this work.

要約  細菌性メッセンジャーである環状ジグアニル酸一リン酸(c-di-GMP)は、さまざまなエフェクターと結合するが、とくに多くみられるエフェクターはPilZ単一ドメインタンパク質である。これらc-di-GMPエフェクターは、多様な細胞機能と多細胞挙動を転写レベルまたは翻訳後レベルで調節する。われわれは、日和見感染菌である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来のPilZ単一ドメインタンパク質MapZ(メチルトランスフェラーゼ結合PilZ、以前はPA4608として知られていた)が、メチルトランスフェラーゼCheR1と直接的に相互作用すること、およびその相互作用がc-di-GMPによって促進されることを見出した。in vitroアッセイでは、c-di-GMP存在下において、CheR1が化学受容体PctAをメチル化するのをMapZが阻害することが示された。このことで、化学誘引物質との親和性が高まり、走化性が促進されることが予想される。MapZは緑膿菌細胞の両極に局在したが、そこには鞭毛モーターや、PctA、CheR1などの他の走化性タンパク質も局在している。緑膿菌細胞は、均一な溶液中では鞭毛の回転方向を頻繁に切り替えることによってランダムウォークの挙動をみせる。われわれは、c-di-GMPがMapZに結合することで鞭毛モーターの回転方向の切り替え頻度が低下することと、緑膿菌集団の特徴である不均一な運動性を生じさせ、バイオフィルム形成中に表面を効率よく接着させるにはMapZが不可欠であることを示した。まとめると、c-di-GMPは、PilZ単一ドメインアダプタータンパク質を通じて化学受容体のメチル化を調節することによって、鞭毛モーターの出力に影響している。

Citation: L. Xu, L. Xin, Y. Zeng, J. K. H. Yam, Y. Ding, P. Venkataramani, Q. W. Cheang, X. Yang, X. Tang, L.-H. Zhang, K.-H. Chiam, L. Yang, Z.-X. Liang, A cyclic di-GMP–binding adaptor protein interacts with a chemotaxis methyltransferase to control flagellar motor switching. Sci. Signal. 9, ra102 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年10月18日号

Editor's Choice

長鎖RNAの中心にある短いループ

Research Article

環状di-GMP結合アダプタータンパク質は走化性メチルトランスフェラーゼと相互作用して鞭毛モーターの回転方向の切り替えを調節する

Research Resources

EML4-ALK中心のインタラクトームをRNA干渉とつないでALK阻害剤の増感剤を同定する

Perspectives

WNKキナーゼに固有の構造的特徴を活用して治療的阻害を達成する

最新のResearch Article記事

2020年5月19日号

細胞外マトリックスタンパク質TasAは枯草菌(Bacillus subtilis)バイオフィルム内の運動性亜集団を維持する発生シグナルである

プロテインキナーゼAによる制御ネットワークは短命および長命の細胞記憶をコードする

2020年5月12日号

死を誘導するRIPK1活性はpH環境によって調整される

CD2シグナル伝達のホスホプロテオミクスは細胞傷害性T細胞における溶解顆粒極性化のAMPK依存性調節を明らかにする

2020年5月5日号

脊髄内のHsp90を阻害するとERK-RSK経路が活性化されることによってモルヒネの抗侵害受容作用が促進される