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ヘパラン硫酸はCXCL12αおよびCXCL12γの受容体CXCR4への差次的な提示によりそれらを介した細胞遊走を差次的に制御する

Heparan sulfate differentially controls CXCL12α- and CXCL12γ-mediated cell migration through differential presentation to their receptor CXCR4

Research Article

Sci. Signal. 01 Nov 2016:
Vol. 9, Issue 452, pp. ra107
DOI: 10.1126/scisignal.aaf1839

Bridgette J. Connell1,*, Rabia Sadir1,*, Françoise Baleux2, Cédric Laguri1, Jean-Philippe Kleman1, Lingjie Luo3, Fernando Arenzana-Seisdedos3, and Hugues Lortat-Jacob1,†

1 Institut de Biologie Structurale, UMR 5075, Université Grenoble Alpes, Centre National de la Recherche Scientifique, Commissariat à l’Energie Atomique et aux Energies Alternatives, F-38027 Grenoble, France.
2 Institut Pasteur, Unité de Chimie des Biomolécules, UMR CNRS 3523, Paris, France.
3 Institut Pasteur, INSERM U1108, Paris, France.

† Corresponding author. Email: hugues.lortat-jacob@ibs.fr

* These authors contributed equally to this work.

要約  ケモカインはGタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体との結合により細胞内のシグナルを刺激する。このような走化性因子であるサイトカインはヘパラン硫酸(HS)とも相互作用し、HSは細胞がこれに沿って方向性をもった遊走をすることができる走触性の勾配の形で組織内の位置情報を提供する。HSがケモカイン機能を調節する機構を検討するため、われわれは、すべてCXCR4を通してシグナル伝達するが、異なるHS結合ドメインをもつ、多様なアイソフォームの形で存在するCXCケモカインであるCXCL12を用いた。細胞結合性と可溶性の両方のCXCR4を用いた実験において、われわれは、CXCL12γがCXCL12αよりも高い親和性でCXCR4と結合するものの、CXCL12γは低いシグナル伝達活性および走化活性を示すことを見いだした。このような特性は、CXCL12γの特異的なカルボキシ末端領域により引き起こされ、これはCXCR4硫酸化チロシンと相互作用することにより、高親和性だが非生産的なCXCR4との結合を媒介していた。HSは、CXCL12γがCXCR4硫酸化チロシンと相互作用することを抑制し、それにより、その活性がCXCL12αの活性と同様に受容体に対してケモカインを機能的に提示していた。HSは、CXCL12αがCXCR4に結合することに影響せず、その生物学的活性にも影響しなかった。このことは、この多糖体がアイソフォーム特異的にCXCL12を制御することを示唆していた。これらのデータは、HS依存性のケモカイン機能の制御が、単純な固相化プロセスを超え、受容体のライゲーションおよび活性化を直接調節することを示唆している。

Citation: B. J. Connell, R. Sadir, F. Baleux, C. Laguri, J.-P. Kleman, L. Luo, F. Arenzana-Seisdedos, H. Lortat-Jacob, Heparan sulfate differentially controls CXCL12α - and CXCL12γ -mediated cell migration through differential presentation to their receptor CXCR4. Sci. Signal.9, ra107 (2016).

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