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独特の型のGSK-3阻害剤が臨床に新たな機会をもたらす

A unique type of GSK-3 inhibitor brings new opportunities to the clinic

Research Article

Sci. Signal. 15 Nov 2016:
Vol. 9, Issue 454, pp. ra110
DOI: 10.1126/scisignal.aah7102

Avital Licht-Murava1,*, Rom Paz1,*, Lilach Vaks1, Limor Avrahami1, Batya Plotkin1, Miriam Eisenstein2, and Hagit Eldar-Finkelman1,†

1 Department of Human Molecular Genetics and Biochemistry, Sackler School of Medicine, Tel Aviv University, Tel Aviv 69978, Israel.
2 Department of Chemical Research Support, Weizmann Institute of Science, Rehovot 76100, Israel.

Corresponding author. Email: heldar@post.tau.ac.il

* These authors contributed equally to this work.

要約

プロテインキナーゼ阻害剤の開発は、多くの創薬プログラムの焦点である。しかし、一般的に用いられるアデノシン三リン酸競合阻害剤は特異性が限られ、選択性がより高い基質競合阻害剤は阻害能が弱いことが、重大な問題となる。グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK-3)は、アルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患の治療に有望な薬剤標的であるが、大半のGSK-3阻害剤は臨床に到達していない。われわれは、GSK-3の触媒部位内で起こる基質から阻害剤への変換機構を介して作用する、新しい型のGSK-3阻害剤L807mtsを紹介する。L807mtsは強力で選択性の高いGSK-3阻害剤であり、げっ歯類における試験では、妥当な薬理学的特性と安全性特性を示すことが確認された。5XFAD ADマウスモデルにおいて、L807mtsの投与により、β-アミロイド蓄積の除去が促進され、炎症が軽減され、オートファジーフラックスが増強され、認知および社会的技能が改善された。この新たなGSK-3阻害法は、AD患者や、GSK-3の調節不全を伴うその他の中枢神経系疾患の患者に対して、治療効果を示す可能性がある。

Citation: A. Licht-Murava, R. Paz, L. Vaks, L. Avrahami, B. Plotkin, M. Eisenstein, H. Eldar-Finkelman, A unique type of GSK-3 inhibitor brings new opportunities to the clinic. Sci. Signal.9, ra110 (2016).

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