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ネットワーク再構築と機構的モデリングの統合によってがんの治療法を予測する

Integrating network reconstruction with mechanistic modeling to predict cancer therapies

Research Article

Sci. Signal. 22 Nov 2016:
Vol. 9, Issue 455, pp. ra114
DOI: 10.1126/scisignal.aae0535

Melinda Halasz1,2,*, Boris N. Kholodenko1,2,3, Walter Kolch1,2,3,*, and Tapesh Santra1,*

1 Systems Biology Ireland, University College Dublin, Belfield, Dublin 4, Ireland.
2 School of Medicine, University College Dublin, Belfield, Dublin 4, Ireland.
3 Conway Institute of Biomolecular and Biomedical Research, University College Dublin, Belfield, Dublin 4, Ireland.

* Corresponding author. Email: walter.kolch@ucd.ie (W.K.); tapesh.santra@ucd.ie (T.S.); melinda.halasz@ucd.ie (M.H.)

要約  がん細胞では、シグナル伝達ネットワークの配線が組み替えられていることが多い。そのような変化を同定できれば、より有効ながん治療が可能になる。われわれは、そのような再構成されたネットワークをノイズの多い不完全な摂動応答データのなかから同定し、再構築し、機構的にモデル化したうえで治療介入の標的候補を予測できる計算フレームワークを開発した。原理の証明として、結腸直腸がん細胞パネルを用いて上皮増殖因子受容体(EGFR)経路とインスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)経路を標的とする摂動データセットを解析した。われわれの計算手法は、細胞株特異的なネットワーク再構成を予測した。具体的には、キナーゼp70S6Kによるインスリン受容体基質1(IRS1)のフィードバック抑制がEGFR阻害に対する抵抗性を生んでいることが予測され、このフィードバックを妨害すれば結腸直腸がん細胞のEGFR阻害薬に対する感受性が回復される可能性があることが示唆された。われわれはこの予測を、結腸直腸がん細胞株の培養細胞とゼブラフィッシュ(Danio rerio)の異種移植モデルで実験的に検証した。

Citation: M. Halasz, B. N. Kholodenko, W. Kolch, T. Santra, Integrating network reconstruction with mechanistic modeling to predict cancer therapies. Sci. Signal. 9, ra114 (2016).

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