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ジアシルグリセロールキナーゼζはT細胞中のジアシルグリセロールに富んだ細胞小器官の免疫シナプスへの分極動員を制限する

Diacylglycerol kinase ζ limits the polarized recruitment of diacylglycerol-enriched organelles to the immune synapse in T cells

Research Article

Sci. Signal. 20 Dec 2016:
Vol. 9, Issue 459, pp. ra127
DOI: 10.1126/scisignal.aaf7714

Elena Andrada*, María Almena*,†, Julia Sáez de Guinoa, Sara V. Merino-Cortes, Rosa Liébana, Raquel Arcos, Silvia Carrasco, Yolanda R. Carrasco, and Isabel Merida§

Department of Immunology and Oncology, Centro Nacional de Biotecnología (CNB-CSIC), E-28049 Madrid, Spain.

§ Corresponding author. Email: imerida@cnb.csic.es

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Immunology, Pasteur Institute, 75015 Paris, France.

‡ Present address: Department of Molecular and Cellular Biology, University of California, Irvine, CA 95616, USA.

要約

抗原によってT細胞と抗原提示細胞間の免疫シナプス(IS)形成が誘導されると、T細胞内に脂質セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロール(DAG)が急速に生成される。ジアシルグリセロールキナーゼζ(DGKζ)はDAGをホスファチジン酸(PA)に変換する。DGKζ欠損マウス由来の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)において抗ウイルスおよび抗腫瘍活性が亢進していたことから、DAG量がT細胞応答の効果を制御することが示された。われわれは、IS形成中のDAG勾配発生を観察するための生物学的センサーとして、ISに特異的に動員されるDAG結合タンパク質であるタンパク質キナーゼCθ(PKCθ)のセカンドC1ドメインの特徴を評価した。OT-I T細胞受容体(TCR)発現トランスジェニックマウスCTLを用いた実験において、抗原とTCR間の相互作用は、強弱によらず、急速なDAGの生成を誘発したが、DAGに富んだ細胞小器官のISへの移動は強力な相互作用によってのみ誘発された。DGKζ欠損CTLでは、抗原刺激によって、ISにおけるDAGを含む細胞小器官の蓄積が亢進した。しかし、PAエフェクターであるPKCζの活性化障害によって、効果的なT細胞活性化に必要なプロセスである微小管形成中心のISへの再配向が認められなくなった。これらのデータを合わせると、TCR依存的DAG動員強度の直接的な結果としてPA依存性シグナル伝達の活性化が引き起こされる機構に、抗原認識下流のDGKζ活性化が関わることが示唆される。

Citation: E. Andrada, M. Almena, J. S. de Guinoa, S. V. Merino-Cortes, R. Liébana, R. Arcos, S. Carrasco, Y. R. Carrasco, I. Merida, Diacylglycerol kinase ζ limits the polarized recruitment of diacylglycerol-enriched organelles to the immune synapse in T cells. Sci. Signal. 9, ra127 (2016).

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