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PDZRN3はPKCζ含有極性複合体を介して内皮細胞間接合部を不安定化させ血管透過性を増加させる

PDZRN3 destabilizes endothelial cell-cell junctions through a PKCζ-containing polarity complex to increase vascular permeability

Research Article

Sci. Signal. 31 Jan 2017:
Vol. 10, Issue 464,
DOI: 10.1126/scisignal.aag3209

Raj N. Sewduth1,2, Héléna Kovacic1, Béatrice Jaspard-Vinassa1, Vincent Jecko3, Thomas Wavasseur3, Nicolas Fritsch1, Mathieu Pernot1,4, Sylvie Jeaningros1, Etienne Roux1, Pascale Dufourcq1, Thierry Couffinhal1,4,*, and Cécile Duplàa1,*,†

1 Univ. Bordeaux, INSERM, UMR1034, Biology of Cardiovascular Diseases, F-33600 Pessac, France.
2 Laboratorium voor Endotheliale Moleculaire Biologie (Vesalius Research Center), 3000 Leuven, Belgium.
3 CHU de Bordeaux, Service de Neurochirurgie, F-33000 Bordeaux, France.
4 CHU de Bordeaux, Service des Maladies Cardiaques et Vasculaires, F-33600 Pessac, France.

† Corresponding author. Email: cecile.duplaa@inserm.fr

* These authors contributed equally to this work.

要約

内皮細胞は、血液と組織間のバリアとして機能する。内皮細胞バリアの維持は、非定型プロテインキナーゼCのζアイソフォーム(PKCζ)およびpartitioning defective 3(PAR3)を含む極性複合体によって調節される細胞間接合部の完全性に依存する。われわれは、E3ユビキチンリガーゼであるPDZドメイン含有リングフィンガー3(PDZRN3)が内皮細胞間接合部の完全性を調節することを明らかにした。Pdzrn3の内皮細胞特異的過剰発現は、重度の出血および内皮細胞間接合部の組織変化を伴う初期の胚性致死をもたらした。逆に、Pdzrn3の内皮特異的欠損は、PKCζの薬理学的阻害により模倣される一過性虚血性脳卒中のマウスモデルにおける血管漏出を防止した。PDZRN3は、Wntシグナリングを調節し、PAR3、PKCζ、および多PDZドメインタンパク質MUPP1(Discs LostマルチPDZドメインタンパク質1)を含む複合体と結合し、トランスフェクトされた細胞でMUPP1をプロテアソーム分解へと向かわせた。一過性虚血性脳卒中は、MUPP1のユビキチン化を増加させ、内皮細胞におけるMUPP1の欠損は、細胞間接合部におけるPKCζおよびPAR3の局在の減少と関連していた。内皮細胞において、Pdzrn3の過剰発現は、PKCζ依存性経路を介して透過性を増加させた。対照的に、Pdzrn3の欠乏は、細胞間接触部位でのPKCζの蓄積を亢進し、ストレス条件下で表層アクチン細胞骨格を増強した。これらの知見は、PDZRN3がいかにPKCζ含有複合体を介して血管透過性を調節するかを明らかにする。

Citation: R. N. Sewduth, H. Kovacic, B. Jaspard-Vinassa, V. Jecko, T. Wavasseur, N. Fritsch, M. Pernot, S. Jeaningros, E. Roux, P. Dufourcq, T. Couffinhal, C. Duplàa, PDZRN3 destabilizes endothelial cell-cell junctions through a PKCζ-containing polarity complex to increase vascular permeability. Sci. Signal. 10, eaag3209 (2017).

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