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リジン脱アセチル化酵素Sirtuin 1は制御性T細胞におけるNotch1受容体の局在化および機能を調節する

The lysine deacetylase Sirtuin 1 modulates the localization and function of the Notch1 receptor in regulatory T cells

Research Article

Sci. Signal. 04 Apr 2017:
Vol. 10, Issue 473, eaah4679
DOI: 10.1126/scisignal.aah4679

Nimi Marcel1,2,*, Lakshmi R. Perumalsamy1,*,†, Sanjay K. Shukla1,2,*, and Apurva Sarin1,3,‡

1 National Centre for Biological Sciences, Bengaluru, Karnataka 560065, India.
2 Manipal University, Manipal, Karnataka, India.
3 Institute for Stem Cell Biology and Regenerative Medicine, Bengaluru, Karnataka 560065, India.

‡ Corresponding author. Email: sarina@ncbs.res.in

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Biotechnology, Indian Institute of Technology, Chennai, TN, India.

要約

栄養素の状態に反応して細胞機能を調節する能力は免疫ホメオスタシスに重要な影響を及ぼす。エフェクターT細胞の機能を抑制する制御性T(Treg)細胞におけるNotch受容体の活性はTreg細胞が栄養素供給の少ない条件下で生存する上で必須である。Notch1細胞内ドメイン(NIC)によって誘導される抗アポトーシスシグナル伝達は細胞質を起点とし、NICの核の機能、主に転写機能とは空間的に切り離されている。われわれは、NIC依存性遺伝子転写を阻害するNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)依存性リシン脱アセチル化酵素Sirtuin 1(Sirt1)が細胞膜近位のNICを安定させ、活性化Treg細胞の生存および機能を促進することを明らかにした。Sirt1は細胞株におけるNIC依存性のアポトーシス防御には必要であったが、抗アポトーシスタンパク質Bcl-xLの活性には必要ではなかった。また、4つのリジンがアルギニンに変異しているNICタンパク質バリアント(NIC4KR)は抗アポトーシス活性を保持していたが、Sirt1による制御を受けず、Notch1欠損Treg細胞における核外NICの機能を復元した。2つのマウスモデルにおいて、Sirt1の欠損によりTreg細胞の生存が損なわれ、その結果、抗原誘導性T細胞増殖および炎症が生じた。以上、Sirt1とNotchの相互作用は非標準Notch1シグナル伝達を調節する重要なチェックポイントであると考えられる。

Citation: N. Marcel, L. R. Perumalsamy, S. K. Shukla, A. Sarin, The lysine deacetylase Sirtuin 1 modulates the localization and function of the Notch1 receptor in regulatory T cells. Sci. Signal.10, eaah4679 (2017).

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