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ショウジョウバエモデルにおける運動亢進は脆弱X症候群の根底にあるシナプス異常の機能的な読み出し情報である

Hyperactive locomotion in a Drosophila model is a functional readout for the synaptic abnormalities underlying fragile X syndrome

Research Article

Sci. Signal. 02 May 2017:
Vol. 10, Issue 477, eaai8133
DOI: 10.1126/scisignal.aai8133

Risa Kashima1,*, Patrick L. Redmond1,*, Prajakta Ghatpande1, Sougata Roy2, Thomas B. Kornberg1, Thomas Hanke3, Stefan Knapp3,4, Giorgio Lagna1, and Akiko Hata1,†

1 Cardiovascular Research Institute, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94158, USA.
2 Department of Cell Biology and Molecular Genetics, University of Maryland, College Park, MD 20742, USA.
3 Institute of Pharmaceutical Chemistry and Buchmann Institute for Life Sciences, Goethe University, Frankfurt, Germany.
4 Department of Clinical Medicine, Structural Genomics Consortium, University of Oxford, Oxford OX3 7DQ, U.K.

† Corresponding author. Email: akiko.hata@ucsf.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

脆弱X症候群(FXS)は、遺伝性知的障害および自閉症のもっともよくある原因で、男性ではおよそ4,000人に1人、女性では8,000人に1人が発症する。FXSに対しては、薬物スクリーニングに有効な動物モデルや表現型の読み出しが存在しないために、有効な治療の発見が阻まれている。FXSは、標的mRNAに結合してその翻訳を抑制するRNA結合タンパク質をコードする、脆弱X精神遅滞1(FMR1)遺伝子のエピジェネティックなサイレンシングまたは機能喪失変異の結果として生じる。われわれは以前に、マウスおよびショウジョウバエ(Drosophila )のFXSモデルにおいて、骨形成タンパク質(BMP)2型受容体(BMPR2)の合成増強によりその下流でLIMキナーゼ1(LIMK1)が活性化し、異常なシナプス発生を促進すること、また、これらの分子および細胞マーカーがFXS患者において相関を示すことを見出した。今回は、ショウジョウバエFXSモデルにおいて、幼虫の自発運動が増強されていることを報告する。BMPR2-LIMK経路に対する遺伝学的または薬理学的介入により、FXS幼虫のシナプス異常と自発運動表現型が改善するとともに、FXSマウスモデルにおいて活動亢進が改善した。われわれの研究は、(i)BMPR2-LIMK経路がFXSに対する有望な治療標的であること、(ii)FXS幼虫の自発運動の表現型が、FXSに伴う神経形態学的表現型の定量的機能的な読み出し情報であり、新規FXS治療薬のスクリーニングに適していることを示している。

Citation: R. Kashima, P. L. Redmond, P. Ghatpande, S. Roy, T. B. Kornberg, T. Hanke, S. Knapp, G. Lagna, A. Hata, Hyperactive locomotion in a Drosophila model is a functional readout for the synaptic abnormalities underlying fragile X syndrome. Sci. Signal. 10, eaai8133 (2017).

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