• ホーム
  • T-プラスチンは基底膜構造形成および上皮の形態形成に不可欠

T-プラスチンは基底膜構造形成および上皮の形態形成に不可欠

T-plastin is essential for basement membrane assembly and epidermal morphogenesis

Research Article

Sci. Signal. 30 May 2017:
Vol. 10, Issue 481, eaal3154
DOI: 10.1126/scisignal.aal3154

Eyal Dor-On, Shaul Raviv, Yonatan Cohen, Orit Adir, Krishnanand Padmanabhan, and Chen Luxenburg*

Department of Cell and Developmental Biology, Sackler Faculty of Medicine, Tel Aviv University, Tel Aviv 69978, Israel.

* Corresponding author. Email: lux@post.tau.ac.il

要約
上皮構造の構築は、細胞と基底膜との間のクロストークが関与する複雑なプロセスである。基底膜構造形成にはインテグリンの活性が必要であるが、それと結合するアクトミオシン細胞骨格の役割はあまり理解されていない。本稿でわれわれは、基底膜構造形成および上皮形態形成の調節因子としてアクチン束化タンパク質であるT-プラスチン(Pls3)を同定した。マウス胎児において子宮内でPls3転写産物を枯渇させると、表皮の基底膜および極性の喪失を引き起こしたが、細胞接着および分化にはほとんど影響しなかった。機能喪失実験から、頂底極性の喪失は基底膜の破壊による二次的なものであることが示された。しかし、基底膜自体は、アクチン細胞骨格の微細な撹乱に顕著な感受性をもっていた。さらにわれわれは、Pls3が細胞表層に局在化し、それがミオシンIIの局在化および活性化に不可欠であることを明らかにした。ミオシンIIの運動活性の阻害は、基底膜の構成を破壊した。われわれの結果は、表層のアクトミオシンの制御、並びに基底膜構造形成および皮膚の形態形成に対するその重要性を知る手掛かりとなる。

Citation: E. Dor-On, S. Raviv, Y. Cohen, O. Adir, K. Padmanabhan, C. Luxenburg, T-plastin is essential for basement membrane assembly and epidermal morphogenesis. Sci. Signal. 10, eaal3154 (2017).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2017年5月30日号

Editor's Choice

少しのストレスはよい

Research Article

疾患に関連するULBP6多型はNKG2Dリガンド結合の安定性を高めることによってNKG2Dに媒介される標的細胞傷害を阻害する

T-プラスチンは基底膜構造形成および上皮の形態形成に不可欠

最新のResearch Article記事

2024年4月9日号

前立腺がんにおいて脂質合成を阻害するとDNA損傷が誘導され、PARP阻害がもたらす細胞死が増加する

A型インフルエンザウイルス感染中にMiz1がI型インターフェロンの産生を抑制してウイルス除去を制限する

2024年4月2日号

フェリチンの重サブユニットは肝星細胞でICAM-1を介してNLRP3インフラマソームを刺激し、肝臓の炎症を促進する

2024年3月26日号

ミクログリア内のグルコシルセラミドの蓄積がマウスにおいてSTING依存性の神経炎症と神経変性を引き起こす

2024年3月19日号

運動によって誘導されるBDNFは運動後回復期に骨格筋脂質代謝のPPARδ依存性リプログラミングを促進する