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TALK-1チャンネルがβ細胞小胞体のCa2+ホメオスタシスを制御する

TALK-1 channels control β cell endoplasmic reticulum Ca2+ homeostasis

Research Article

Sci. Signal. 19 Sep 2017:
Vol. 10, Issue 497, eaan2883
DOI: 10.1126/scisignal.aan2883

Nicholas C. Vierra1, Prasanna K. Dadi1, Sarah C. Milian1, Matthew T. Dickerson1, Kelli L. Jordan1, Patrick Gilon2, and David A. Jacobson1,*

1 Department of Molecular Physiology and Biophysics, Vanderbilt University, Nashville, TN 37232, USA.2 Pôle d'endocrinologie, diabète et nutrition, Institut de recherche expérimentale et clinique, Université catholique de Louvain, Brussels 1200, Belgium.

* Corresponding author. Email: david.a.jacobson@vanderbilt.edu

要約
小胞体(ER)によるCa2+ハンドリングは膵臓β細胞機能を制御する上で重要な役割を担っており、糖尿病発症時には攪乱が生じている。ER Ca2+ホメオスタシスは、K+チャンネルを介したK+流入など、ER膜を介したイオン動態によって決定される。本研究では、ER局在化TALK-1チャンネルを介したK+流入が、マウスおよびヒトβ細胞においてERからのCa2+放出を促進することを明らかにした。また、TALK-1欠損マウスのβ細胞では基底状態の細胞質Ca2+ 濃度が低下し、ER Ca2+濃度が上昇していたことから、ER Ca2+漏出の減少が示唆される。ERとつながった核膜上に機能性TALK-1チャンネルを介するK+電流が記録されたため、これらのCa2+ホメオスタシスの変化はおそらく、TALK-1を介するER K+流入によるものであった。また、HEK293細胞中のK+不透過性TALK-1チャンネルの過剰発現はER Ca2+ストアを減少させなかった。β細胞のER Ca2+量の減少は糖尿病におけるERストレスおよび膵島機能不全と関連しており、高脂肪食を与えたTALK-1欠損マウスの膵島ではERストレスの徴候が低減したことから、TALK-1活性がERストレスを悪化させたと考えられる。本研究のデータから、TALK-1チャンネルがβ細胞のER Ca2+ の主要調節因子であることが確立され、TALK-1が、糖尿病発症過程のβ細胞のER Ca2+ハンドリング異常を低減させるための治療標的となり得ることが示唆される。

Citation: N. C. Vierra, P. K. Dadi, S. C. Milian, M. T. Dickerson, K. L. Jordan, P. Gilon, D. A. Jacobson, TALK-1 channels control β cell endoplasmic reticulum Ca2+ homeostasis. Sci. Signal. 10, eaan2883 (2017).

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