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Rac1-コフィリンシグナル伝達異常が、脆弱X症候群における樹状突起スパイン、シナプス機能、感覚認知の異常を媒介する

Aberrant Rac1-cofilin signaling mediates defects in dendritic spines, synaptic function, and sensory perception in fragile X syndrome

Research Article

Sci. Signal. 07 Nov 2017:
Vol. 10, Issue 504, eaan0852
DOI: 10.1126/scisignal.aan0852

Alexander Pyronneau1, Qionger He2, Jee-Yeon Hwang1, Morgan Porch1, Anis Contractor2,3, and R. Suzanne Zukin1,*

1 Dominick P. Purpura Department of Neuroscience, Albert Einstein College of Medicine, New York, NY 10461, USA.
2 Department of Physiology, Feinberg School of Medicine, Northwestern University, Chicago, IL 60611, USA.
3 Department of Neurobiology, Weinberg College of Arts and Sciences, Northwestern University, Evanston, IL 60208, USA.

* Corresponding author. Email: suzanne.zukin@einstein.yu.edu

要約
脆弱X症候群(FXS)は、最も高頻度でみられる知的障害の遺伝性原因であり、自閉症の主要原因である。FXSは、X染色体上の遺伝子FMR1のトリヌクレオチド反復伸長によって引き起こされる。FXSでは、神経解剖学的特徴として未熟な樹状突起スパインが過剰にみられ、これがシナプス機能異常と認知障害の根底にある要因だと考えられている。われわれは、FXSモデルマウスの体性感覚皮質において、Rho GTPアーゼRac1活性の異常亢進によって、樹状突起スパインの主要な構造決定因子であるアクチン脱重合因子コフィリンが阻害され、疾患に関連するスパイン異常が引き起こされることを明らかにした。コフィリンのリン酸化とアクチン重合を促進させると、樹状突起スパイン異常とシナプスの成熟阻害が生じた。構成活性化型コフィリン変異体(cofilinS3A)をウイルスベクターによってFmr1欠損マウスの体性感覚皮質に送達すると、未熟な樹状突起スパインの表現型が解消され、スパイン密度が増加した。Rac1エフェクターPAK1を低分子阻害因子で阻害すると、FXSマウスのコフィリンシグナル伝達が回復したことから、PAK1とコフィリンシグナル伝達との因果関係が示唆される。FXSマウスにおいてPAK1を阻害すると、シナプスのシグナル伝達(とくにV層錐体ニューロンのシナプスのNMDA/AMPA比)が回復し、感覚処理が改善された。これらの知見は、FXSにおけるRac1-コフィリンシグナル伝達の亢進、シナプス異常、感覚処理障害のあいだの因果関係を示唆し、FXSに伴うスパイン形態異常とスパイン密度異常において、これまで認められていなかったRac1-コフィリンシグナル伝達異常の役割を明らかにするものである。

Citation: A. Pyronneau, Q. He, J.-Y. Hwang, M. Porch, A. Contractor, R. S. Zukin, Aberrant Rac1-cofilin signaling mediates defects in dendritic spines, synaptic function, and sensory perception in fragile X syndrome. Sci. Signal. 10, eaan0852 (2017).

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