• ホーム
  • 脱パルミトイル化酵素APT1は細胞分裂時のNotchおよびWntシグナル伝達の非対称な分配を指示する

脱パルミトイル化酵素APT1は細胞分裂時のNotchおよびWntシグナル伝達の非対称な分配を指示する

The depalmitoylase APT1 directs the asymmetric partitioning of Notch and Wnt signaling during cell division

Research Article

Sci. Signal. 02 Jan 2018:
Vol. 11, Issue 511, eaam8705
DOI: 10.1126/scisignal.aam8705

Ewa Stypulkowski1,2, Irfan A. Asangani1,2,3, and Eric S. Witze1,2,3,*

1 Department of Cancer Biology, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
2 Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Abramson Family Cancer Research Institute, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.

* Corresponding author. Email: ewitze@exchange.upenn.edu

要約

非対称細胞分裂は、2つの別個に運命づけされた娘細胞を生じる。非対称分裂の分子的特徴は、細胞運命決定因子の不均等な分配である。われわれはこれまでに、成長因子シグナル伝達が、タンパク質の脱パルミトイル化を促進し、偏極したタンパク質局在を助長し、それが次に細胞移動や転移を駆動することを立証した。われわれは、脱パルミトイル化酵素APT1の活性による細胞運命決定因子Numbおよびβ-カテニンの非対称分配の重要な機構としてタンパク質パルミトイル化を報告する。点突然変異を用いて、Numb上の特異的パルミトイル化残基がその非対称局在に必要であることを示した。われわれは、生細胞イメージングにより、APT1とRhoファミリーGTPアーゼであるCDC42の相互作用が、Numbおよびβ-カテニンの細胞膜への非対称局在を促進することを示した。これは、次に、1つの娘細胞にNotchまたはWnt応答性転写活性を制限した。さらに、Notchおよびβ-カテニン介在性Wntシグナル伝達の変化と同様に、APT1の存在量を変化させることによりMDA-MB-231三重受容体陰性乳がん細胞の転写シグネチャーが変化することを示した。われわれはまた、コロニー形成アッセイにおいて、APT1の喪失が腫瘍原性細胞の特定の亜集団を枯渇させることを示した。合わせると、われわれの知見は、APT1による脱パルミトイル化は、NotchおよびWnt結合タンパク質動態、遺伝子発現および細胞機能を維持する非対称細胞分裂の主要な機構であることを示唆する。

Citation: E. Stypulkowski, I. A. Asangani, E. S. Witze, The depalmitoylase APT1 directs the asymmetric partitioning of Notch and Wnt signaling during cell division. Sci. Signal. 11, eaam8705 (2018).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2018年1月2日号

Editor's Choice

新たなつながり:がんに対して免疫記憶を刺激する

Research Article

大腸がんマウスモデルにおいてTNFR2シグナル伝達の遮断はCpG ODNの免疫治療効果を高める

脱パルミトイル化酵素APT1は細胞分裂時のNotchおよびWntシグナル伝達の非対称な分配を指示する

小胞体シャペロンBiPは短命で、N末端アルギニル化を介して代謝される

Reviews

腫瘍壊死因子スーパーファミリーシグナル伝達の構造原則

最新のResearch Article記事

2024年2月27日号

ALOX5はCD4+ T細胞のパイロトーシスと関節リウマチにおける組織炎症を駆動する

2024年2月20日号

デザイナー高密度リポタンパク質粒子が内皮バリア機能を強化し炎症を抑制する

T細胞におけるgp130シグナル伝達の活性化がTH17介在性の多臓器自己免疫を引き起こす

2024年2月13日号

GPCRキナーゼはその細胞内局在に応じて偏向性のCXCR3下流シグナル伝達を差次的に調節する

リラキシン-3受容体のGαi/oバイアスステープルペプチドアゴニストによるバイアスアゴニズムの機構