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モルフォゲンであるSonic Hedgehogに対する細胞の感受性はGタンパク質共役受容体によって調節される

G protein-coupled receptors control the sensitivity of cells to the morphogen Sonic Hedgehog

Research Article

Sci. Signal. 06 Feb 2018:
Vol. 11, Issue 516, eaao5749
DOI: 10.1126/scisignal.aao5749

Ganesh V. Pusapati1,*, Jennifer H. Kong1,*, Bhaven B. Patel1, Mina Gouti2,†, Andreas Sagner2, Ria Sircar1, Giovanni Luchetti1, Philip W. Ingham3,4, James Briscoe2, and Rajat Rohatgi1,‡

1 Departments of Medicine and Biochemistry, Stanford University School of Medicine, Stanford, CA 94305, USA.
2 The Francis Crick Institute, Midland Road, London NW1 1AT, UK.
3 Lee Kong Chian School of Medicine, Nanyang Technological University, Singapore 639798, Singapore.
4 Living Systems Institute, University of Exeter, Exeter EX4 4RJ, UK.

‡ Corresponding author. Email: rrohatgi@stanford.edu

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Max-Delbrück-Center for Molecular Medicine, Robert-Rössle-Strasse 10, 13125 Berlin, Germany.

要約

モルフォゲンであるSonic Hedgehog(SHH)は、濃度依存的に細胞の運命を方向づけることによって発生中の組織をパターン形成する。SHHシグナルは、ヘプタヘリカル膜貫通タンパク質Smoothened(SMO)によって、標的細胞の細胞膜を横断して伝達される。SMOは、脊椎動物においてまだ明らかになっていない機構を通じてGLIファミリーの転写因子を活性化する。われわれは、CRISPRで編集したヌル対立遺伝子と低分子阻害薬を用いて、SMOと、SMOシグナル伝達に関わる3つのタンパク質(ヘテロ三量体Gタンパク質サブユニットGαS、Gタンパク質共役受容体キナーゼ2[GRK2]、GαS共役受容体GPR161)とのエピスタシスな相互作用を体系的に分析した。われわれの実験によって、標的細胞のSHHに対する感受性を改変させ、結果的にSHH用量反応曲線の形を変化させるシグナル伝達機構が明らかになった。繊維芽細胞でも脊髄神経前駆細胞でも、基本的なSHHシグナル伝達のインヒビターであることが以前に示されているGPR161を欠損させると、SHH濃度の全範囲で標的細胞の感受性が高まった。GPR161欠損細胞であっても、SHHシグナル伝達にはGRK2が必要であり、GαsはプロテインキナーゼA(PKA)の活性化を亢進し、SHHシグナル伝達を拮抗した。われわれは、Hedgehogモルフォゲンに対する標的細胞の感受性と、結果的に遺伝子発現および分化の結末に及ぶ効果は、Gタンパク質共役受容体から発せられてGαsとPKAに収束するシグナルによって調節可能であると提唱する。

Citation: G. V. Pusapati, J. H. Kong, B. B. Patel, M. Gouti, A. Sagner, R. Sircar, G. Luchetti, P. W. Ingham, J. Briscoe, R. Rohatgi, G protein-coupled receptors control the sensitivity of cells to the morphogen Sonic Hedgehog. Sci. Signal. 11, eaao5749 (2018).

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