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CD4+T細胞におけるTSLPシグナル伝達は病原性Tヘルパー2細胞状態をプログラムする

TSLP signaling in CD4+ T cells programs a pathogenic T helper 2 cell state

Research Article

Sci. Signal. 13 Mar 2018:
Vol. 11, Issue 521, eaam8858
DOI: 10.1126/scisignal.aam8858

Yrina Rochman1,2,*, Krista Dienger-Stambaugh1, Phoebe K. Richgels1, Ian P. Lewkowich1, Andrey V. Kartashov3, Artem Barski3,4, Gurjit K. Khurana Hershey5, Warren J. Leonard2, and Harinder Singh1,*

1 Division of Immunobiology and the Center for Systems Immunology, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
2 Laboratory of Molecular Immunology and Immunology Center, National Heart, Lung, and Blood Institute, Bethesda, MD 20892, USA.
3 Division of Allergy and Immunology, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
4 Division of Human Genetics, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
5 Division of Asthma Research, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.

* Corresponding author. Email: yrina.rochman@cchmc.org (Y.R.); harinder.singh@cchmc.org (H.S.)

要約

病原性Tヘルパー2(TH2)細胞は、サイトカインであるインターロイキン-5(IL-5)およびIL-13の量を増加しており、喘息などのアレルギー性疾患を促進する。胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、上皮および自然免疫細胞から分泌されるサイトカインであり、このような病原性TH2細胞応答を刺激する。本研究では、マウスCD4+ T細胞におけるTSLPシグナル伝達がTH2細胞プログラミングに伴う転写変化を開始させることを明らかにした。IL-4シグナル伝達はTSLPに対するT細胞のゲノム応答を増幅、安定化させ、T細胞のIL-4、IL-5およびIL-13産生頻度を増加させた。さらに、TSLPおよびIL-4によってプログラムされたTH2細胞は病原性の表現型を有し、IL-4単独で刺激されたTH2細胞と比べて、IL-5、IL-13およびその他の炎症性サイトカイン量を増加させた。TSLPによるTH2細胞誘導には、キナーゼJAK2キナーゼを介した転写因子STAT5の活性化および転写因子BCL6の抑制を含む明確な分子経路が関与していた。野生型CD4+ T細胞を投与したマウスでは、TSLP受容体欠損CD4+ T細胞を投与したマウスに比べて、チリダニ曝露に対する病原性TH2細胞応答が増悪していた。一過性のTSLPシグナル伝達は、記憶TH2細胞における病原性を安定的にプログラムした。ヒトCD4+ T細胞では、TSLPおよびIL-4は、より大量のIL-5およびIL-13を産生するTH2細胞の生成を促進した。健康な対照群と比べ、小児喘息患者では、末梢血におけるこのようなT細胞応答が亢進していた。本研究のデータは、病原性TH2細胞分化の逐次的サイトカインモデルを裏付け、ヒトアレルギー性疾患においてTSLPシグナル伝達を治療標的とすることの機序的根拠となる。

Citation: Y. Rochman, K. Dienger-Stambaugh, P. K. Richgels, I. P. Lewkowich, A. V. Kartashov, A. Barski, G. K. Khurana Hershey, W. J. Leonard, H. Singh, TSLP signaling in CD4+ T cells programs a pathogenic T helper 2 cell state. Sci. Signal. 11, eaam8858 (2018).

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