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変異型および野生型p53はキナーゼJNKによってリン酸化されるとp73と複合体を形成する

Mutant and wild-type p53 form complexes with p73 upon phosphorylation by the kinase JNK

Research Article

Sci. Signal. 03 Apr 2018:
Vol. 11, Issue 524, eaao4170
DOI: 10.1126/scisignal.aao4170

Eric R. Wolf1,*, Ciarán P. McAtarsney2,*, Kristin E. Bredhold2, Amber M. Kline2, and Lindsey D. Mayo1,2,†

1 Department of Biochemistry and Molecular Biology, Indiana University School of Medicine, Indianapolis, IN 46202, USA.
2 Herman B Wells Center for Pediatric Research, Indiana University School of Medicine, Indianapolis, IN 46202, USA.

† Corresponding author. Email: ldmayo@iu.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

転写因子p53、p73はアポトーシス細胞死、なかでもc-Jun N末端キナーゼ(JNK)を活性化する細胞ストレスに応答したアポトーシス細胞死の誘導に重要である。がんに高頻度でみられるp53のDNA結合領域の変異は立体構造の変化を生み、p53がp73と相互作用しp73を阻害することを可能にし、それによってアポトーシスを抑制する。対照的に、野生型p53はp73と相互作用しないと報告されている。われわれは、p53のプロリンリッチ領域(PRD)にあるThr81がJNKに媒介されてリン酸化されると、変異型p53だけでなく野生型p53もp73と複合体を形成できるようになることを示した。構造的アルゴリズムからは、Thr81がリン酸化されるとp53のDNA結合領域が露出し、p73との結合が可能になることが予測された。さまざまな細胞において、野生型p53とp73が二量体を形成すると、アポトーシス標的遺伝子[アポトーシスのp53上方制御調節因子(PUMA)、Bcl-2結合Xタンパク質(BAX)をコードする遺伝子など]の発現が亢進され、その後、細胞ストレスによるJNKの活性化に応答してアポトーシスが促進された。このように、変異型および野生型p53のJNKのリン酸化は、p53/p73複合体の形成を促進し、細胞の運命を決定する。すなわち、野生型p53が存在する状況ではアポトーシスが誘導され、変異型p53が存在する状況では細胞が生存する。これらの知見は、p53とp73との機構的つながりと、Thr81のリン酸化が果たす機能的役割の両方に関するわれわれの現在の理解を洗練させるものである。

Citation: E. R. Wolf, C. P. McAtarsney, K. E. Bredhold, A. M. Kline, L. D. Mayo, Mutant and wildtype p53 form complexes with p73 upon phosphorylation by the kinase JNK. Sci. Signal. 11, eaao4170 (2018).

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