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イオンチャネルTRPM7はB細胞リンパ球新生に必要である

The ion channel TRPM7 is required for B cell lymphopoiesis

Research Article

Sci. Signal. 05 Jun 2018:
Vol. 11, Issue 533, eaan2693
DOI: 10.1126/scisignal.aan2693

Mithunah Krishnamoorthy1, Fathima Hifza Mohamed Buhari2, Tiantian Zhao3, Patrick M. Brauer4, Kyle Burrows3, Eric Yixiao Cao3, Vincent Moxley-Paquette2, Arthur Mortha3, Juan Carlos Zúñiga-Pflücker3,4, and Bebhinn Treanor1,2,3,*

1 Department of Cell and Systems Biology, University of Toronto, Toronto, Ontario M5S 3G5, Canada.
2 Department of Biological Sciences, University of Toronto Scarborough, Toronto, Ontario M1C 1A4, Canada.
3 Department of Immunology, University of Toronto, Toronto, Ontario M5S 1A8, Canada.
4 Sunnybrook Research Institute, Toronto, Ontario M4N 3M5, Canada.

* Corresponding author. Email: bebhinn.treanor@utoronto.ca

要約

一過性受容体電位(TRP)ファミリーは、イオンと金属の細胞内濃度を調節し、種々の化学的刺激や物理的刺激に応答する、広範に発現するイオンチャネルの大きなファミリーである。TRPサブファミリーMメンバー7(TRPM7)は、イオンチャネルとキナーゼドメインの両方をもつという点で異例である。TRPM7は、Ca2+ とMg2+に選択性を示す二価カチオンチャネルである。B細胞株の一種であるDT40細胞の生存に必要とされる。しかし、T細胞のTRPM7を欠失させても、それらの発生は障害されない。われわれは、マウスにおいて、B細胞発生にTRPM7の発現が必要であることを見出した。B細胞のTRPM7を欠損したマウスは、プロB細胞段階で発生が阻止されるために、末梢B細胞を産生できなかった。TRPM7のキナーゼ活性のみを消失させた場合には、末梢成熟B細胞の割合または骨髄におけるB細胞発生に影響は認められなかった。しかし、in vitroにおいて、高濃度の細胞外Mg2+の補充により、TRPM7欠損B細胞の発生が部分的に回復した。このように、われわれの結果は、B細胞発生におけるTRPM7イオンチャネル活性のきわめて重要な役割を明らかにしている。

Citation: M. Krishnamoorthy, F. H. M. Buhari, T. Zhao, P. M. Brauer, K. Burrows, E. Y. Cao, V. Moxley-Paquette, A. Mortha, J. C. Zúñiga-Pflücker, B. Treanor, The ion channel TRPM7 is required for B cell lymphopoiesis. Sci. Signal. 11, eaan2693 (2018).

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2018年6月5日号

Editors' Choice

ハイライト:イオンチャネル-キナーゼTRPM7の独特な機能

Research Article

イオンチャネルTRPM7はB細胞リンパ球新生に必要である

チャネル・キナーゼTRPM7はB細胞の抗原集結と内部移行を調節する

Lglは、Vap33とV-ATPアーゼ複合体の相互作用を促進することにより、エンドソーム小胞酸性化およびNotchシグナル伝達を抑制する

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