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ユニークなBIRドメインセットはアポトーシス阻害タンパク質駆動性の細胞死およびNOD2複合体シグナルの特異性を決定する

Unique BIR domain sets determine inhibitor of apoptosis protein-driven cell death and NOD2 complex signal specificity

Research Article

Sci. Signal. 17 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 539, eaao3964
DOI: 10.1126/scisignal.aao3964

Steven M. Chirieleison, Joseph K. Rathkey, and Derek W. Abbott*

Department of Pathology, Case Western Reserve University School of Medicine, Cleveland, OH 44122, USA.

* Corresponding author. Email: dwa4@case.edu

要約

哺乳動物のIAPである、X連鎖アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)と細胞性アポトーシス阻害タンパク質1および2(cIAP1およびcIAP2)は、自然免疫シグナル伝達および炎症性恒常性維持において中心的役割を果たし、並行して、または、シグナル伝達複合体で同時に作用することが多い。IAPは、ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン含有2(NOD2)シグナル伝達複合体と細胞死機構の両方を指揮し、炎症を適切に調節する。XIAPがNOD2シグナル伝達にとって重要であり、cIAP1およびcIAP2の欠損がNOD2活性を鈍らせることは知られているが、これら3つの高度に関連するタンパク質が、NOD2シグナル伝達において、あるいはアポトーシスまたはネクロトーシスを制御する機構において互いに相補し合うかどうかは不明である。XIAPの遺伝的欠失は、非常に早期に発症する炎症性腸疾患およびX連鎖リンパ増殖症候群2(XLP-2)の両方を引き起こし、cIAP1およびcIAP2の過剰発現は発がんおよび化学療法抵抗性の両方に関連することを考えると、この潜在的な冗長性は非常に重要である。IAP阻害に対する治療的関心および炎症性恒常性の崩壊に関連する潜在的毒性を考慮し、われわれは、合成生物学技術を用いて、IAPの主要ドメインの機能的冗長性を調べた。この分析から、われわれは、重複するシグナル伝達複合体でIAPが機能することを可能にするが、自然免疫および炎症性シグナル伝達におけるE3ユビキチンリガーゼとしての役割においては独立かつ機能的に排他的であるIAPの特徴を定義した。

Citation: S. M. Chirieleison, J. K. Rathkey, D. W. Abbott, Unique BIR domain sets determine inhibitor of apoptosis protein-driven cell death and NOD2 complex signal specificity. Sci. Signal. 11, eaao3964 (2018).

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