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κ-オピオイド受容体でのGタンパク質シグナル伝達偏向アゴニズムは線条体ニューロンにおいて維持される

G protein signaling-biased agonism at the κ-opioid receptor is maintained in striatal neurons

Research Article

Sci. Signal. 07 Aug 2018:
Vol. 11, Issue 542, eaar4309
DOI: 10.1126/scisignal.aar4309

Jo-Hao Ho1, Edward L. Stahl1, Cullen L. Schmid1, Sarah M. Scarry2, Jeffrey Aubé2, and Laura M. Bohn1,*

1 Departments of Molecular Medicine and Neuroscience, The Scripps Research Institute, Jupiter, FL 33458, USA.
2 UNC Eshelman School of Pharmacy, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.

* Corresponding author. Email: lbohn@scripps.edu

要約

Gタンパク質共役型受容体の偏向アゴニストは、副作用を治療特性から分離するよう受容体シグナル伝達を改良する手段を提示し得る。いくつかの研究により、細胞培養においてβ-アレスチン2動員よりGタンパク質共役に偏った方式でκ-オピオイド受容体(KOR)を活性化するアゴニストが、鎮静および不快感を避けつつ疼痛およびかゆみを治療する手段となり得ることが示されてきた。Gタンパク質シグナル伝達とβ-アレスチン2動員との間の偏りがこれらの多様な振る舞いの理由であると推測することは魅力的であるが、これらのシグナル伝達経路が神経環境内で分岐することを示す証拠はほとんど見出されていない。われわれはさらに、β-アレスチン依存的経路よりGタンパク質経路へ指向するシグナル伝達というKORリガンドでの偏向アゴニズムに及ぼす細胞状況の影響を調べ、この偏りが線条体ニューロンで持続することを見出した。これらの知見は、Gタンパク質偏向アゴニストシグナルが細胞株と初代ニューロン間でどのように異なっているかに関する理解を進め、[35S]GTPγS結合の測定およびアデニリルシクラーゼ活性の調節が必ずしも細胞株における直交検定ではないことを実証し、偏向アゴニズムを評価することに対する環境の寄与を強調する。

Citation: J.-H. Ho, E. L. Stahl, C. L. Schmid, S. M. Scarry, J. Aubé, L. M. Bohn, G protein signaling-biased agonism at the k-opioid receptor is maintained in striatal neurons. Sci. Signal. 11, eaar4309 (2018)

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