• ホーム
  • 発がん性RASアイソフォームによりグアニンヌクレオチド交換因子SOS2が細胞形質転換を媒介する際の階層的要件が示される

発がん性RASアイソフォームによりグアニンヌクレオチド交換因子SOS2が細胞形質転換を媒介する際の階層的要件が示される

Oncogenic RAS isoforms show a hierarchical requirement for the guanine nucleotide exchange factor SOS2 to mediate cell transformation

Research Article

Sci. Signal. 04 Sep 2018:
Vol. 11, Issue 546, eaar8371
DOI: 10.1126/scisignal.aar8371

Erin Sheffels1, Nancy E. Sealover1, Chenyue Wang1, Do Hyung Kim1, Isabella A. Vazirani1, Elizabeth Lee1, Elizabeth M. Terrell2, Deborah K. Morrison2, Ji Luo3, and Robert L. Kortum1,*

1 Department of Pharmacology and Molecular Therapeutics, Uniformed Services University of the Health Sciences, Bethesda, MD 20814, USA.
2 Laboratory of Cell and Developmental Signaling, National Cancer Institute (NCI)-Frederick, Frederick, MD 21702, USA.
3 Laboratory of Cancer Biology and Genetics, Center for Cancer Research, NCI, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

* Corresponding author. Email: robert.kortum@usuhs.edu

要約

約3分の1の腫瘍がRASファミリーのグアノシン三リン酸(GTPアーゼ)コード遺伝子であるHRASNRASまたはKRAS中の活性化変異を有する。これらの腫瘍では、野生型RASが変異型RASと協働して、下流エフェクターの活性化、および細胞の増殖とおよび形質転換を促進することから、野生型RASの上流アクチベーターが変異型RAS誘導性発がんの重要なモジュレーターであると考えられる。グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)SOS1はKRAS誘導性増殖を媒介するが、SOS2の役割についてはほとんどわかっていない。本研究によって、SOS2の発現および活性が細胞の形質転換を促すためにはRASファミリーメンバーが階層的に必要であることが明らかになった。マウス胚線維芽細胞(MEF)では、SOS2は変異型KRAS誘導性形質転換を決定的に仲介したが、変異型HRAS誘導性形質転換ではその作用はなかった。変異型RASアイソフォーム発現細胞において、Sos2の欠失により野生型HRASの上皮成長因子(EGF)依存的活性化およびAKTキナーゼのリン酸化が低減した。薬理学的阻害剤を用いたアッセイにより、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)によるシグナル伝達がRAS誘導性細胞形質転換を促進するために階層的に必要であることがわかり、これはSOS2の必要性を反映していた。KRAS誘導性形質転換はSOS2のGEF活性を必要とし、Sos2−/− MEFにおいても恒常的活性型のPI3Kの発現によってKRAS誘導性形質転換が回復した。最後に、CRISPR/Cas9によるSOS2の欠失は、EGF刺激によるAKTリン酸化を減少させ、MEK阻害と相乗作用することで、ヒトKRAS変異型膵臓および肺腫瘍細胞の形質転換表現型を正常化した。これらの結果から、SOS2依存性PI3Kシグナル伝達が変異型KRAS誘導性形質転換を媒介することが示され、KRAS誘導性がんにおける治療標的が判明した。われわれのデータから、変異型KRASのメディエータの検討における3次元培養系の重要性も明らかになった。

Citation: E. Sheffels, N. E. Sealover, C. Wang, D. H. Kim, I. A. Vazirani, E. Lee, E. M. Terrell, D. K. Morrison, J. Luo, R. L. Kortum, Oncogenic RAS isoforms show a hierarchical requirement for the guanine nucleotide exchange factor SOS2 to mediate cell transformation. Sci. Signal. 11, eaar8371 (2018).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2018年9月4日号

Research Article

発がん性RASアイソフォームによりグアニンヌクレオチド交換因子SOS2が細胞形質転換を媒介する際の階層的要件が示される

最新のResearch Article記事

2018年9月4日号

ストレス状況下で、細胞はtRNA量を変化させてタンパク質合成を選択的に調節する

がん細胞におけるヌクレオチド交換の標的化による構成的活性化型Gタンパク質αサブユニットの阻害

シュードキナーゼMLKLはネクローシス性好中球におけるPAD4依存的NET形成を活性化する

発がん性RASアイソフォームによりグアニンヌクレオチド交換因子SOS2が細胞形質転換を媒介する際の階層的要件が示される

2018年8月28日号

RORγtは発生中の胸腺細胞において生存促進因子Bcl-xLを介してサイトカイン受容体γcの量を制限する