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IL-3刺激を受けたマウス好塩基球のIL-4産生におけるSTIM1ではなくSTIM2の中心的役割

Pivotal role of STIM2, but not STIM1, in IL-4 production by IL-3-stimulated murine basophils

Research Article

Sci. Signal. 09 Apr 2019:
Vol. 12, Issue 576, eaav2060
DOI: 10.1126/scisignal.aav2060

Soichiro Yoshikawa1,*, Masatsugu Oh-hora2, Ryota Hashimoto3, Toshihisa Nagao1, Louis Peters1,4, Mayumi Egawa1, Takuya Ohta1, Kensuke Miyake1, Takahiro Adachi5, Yohei Kawano1, Yoshinori Yamanishi1, and Hajime Karasuyama1

1 Department of Immune Regulation, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo 113-8510, Japan.
2 Department of Biochemistry, Graduate School of Medicine, Juntendo University, Tokyo 113-8421, Japan.
3 Department of Physiology, Faculty of Medicine, Juntendo University, Tokyo 113-8421, Japan.
4 Faculty of Medicine, Imperial College London, London SW7 2BX, UK.
5 Department of Immunology, Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo 113-8510, Japan.

*Corresponding author. Email: yoshisou.mbch@tmd.ac.jp

要約

好塩基球は、Ca2+流入を必要とするさまざまな免疫応答に非冗長的な役割を果たす。今回われわれは、間質相互作用分子1および2(STIM1およびSTIM2)という2つのCa2+センサーが、好塩基球活性化に果たす役割を検討した。STIM1が欠損すると、免疫グロブリンE(IgE)含有免疫複合体による刺激後の好塩基球のIL-4産生が低下するが、STIM2の欠損ではそのような低下はみられないことがわかった。一方、好塩基球をIL-3で刺激した場合には、STIM2の欠損により好塩基球のIL-4産生が低下し、STIM1の欠損ではそのような低下は認められなかった。STIMタンパク質のこの違いは、各刺激によって引き起こされるCa2+流入およびIl4遺伝子転写の時間経過の違いと関連していた。同様に、in vivoのIgE誘導型慢性アレルギー性炎症には好塩基球特異的なSTIM1発現が必要であった一方、マウスにIL-3とIL-33を併用投与後のIL-4産生にはSTIM2が必要であった。これらのデータは、STIM1とSTIM2がIL-4産生において刺激に依存した異なる役割を果たすことを示している。さらに、これらの結果は、STIM1より重要性が低いと考えられる場合が多いSTIM2が、好塩基球においてきわめて重要な役割を果たすことを明らかにしている。

Citation: S. Yoshikawa, M. Oh-hora, R. Hashimoto, T. Nagao, L. Peters, M. Egawa, T. Ohta, K. Miyake, T. Adachi, Y. Kawano, Y. Yamanishi, H. Karasuyama, Pivotal role of STIM2, but not STIM1, in IL-4 production by IL-3-stimulated murine basophils. Sci. Signal. 12, eaav2060 (2019).

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