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代替ZAP70-p38シグナルはLATおよびSOSを介した古典的p38経路をプライミングし調節性T細胞分化を支持する

Alternative ZAP70-p38 signals prime a classical p38 pathway through LAT and SOS to support regulatory T cell differentiation

Research Article

Sci. Signal. 23 Jul 2019:
Vol. 12, Issue 591, eaao0736
DOI: 10.1126/scisignal.aao0736

Jesse E. Jun1,*, Kayla R. Kulhanek1,*, Hang Chen2, Arup Chakraborty2, and Jeroen P. Roose1,†

1 Department of Anatomy, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
2 Departments of Chemical Engineering, Chemistry, and Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, 77 Massachusetts Avenue, Cambridge, MA 02139, USA.

† Corresponding author. Email: jeroen.roose@ucsf.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

T細胞受容体(TCR)刺激は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)ERKおよびp38、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)、ならびにキナーゼmTORを含む多様なキナーゼ経路を活性化する。TCR刺激は、アダプタータンパク質LATにより媒介される「古典的」MAPKカスケードを介してp38経路を活性化するが、それはまた、p38がキナーゼZAP70により活性化される「代替」経路も刺激する。ここで、われわれは、二重パラメーター、ホスホフローサイトメトリーおよびin silico計算を用いて、古典的および代替の両方のp38経路がいかにT細胞活性化に寄与するかを調べた。われわれは、休止T細胞株における基底ZAP70活性化が古典的p38経路の閾値(「準備刺激」)TCR刺激活性化を低下させることを見出した。古典的p38シグナルは、LATシグナロソームの必須成分であるグアニンヌクレオチド交換因子Sos1およびSos2をT細胞特異的に欠失すると減少した。Sos1/2欠損の結果として、サイトカインIL-2の産生が損なわれ、調節性T細胞への分化が減少し、マウスにおいて自己免疫疾患EAEが悪化した。これらのデータは、古典的および代替p38活性化経路が免疫バランスを生み出すために存在することを示唆する。

Citation: J. E. Jun, K. R. Kulhanek, H. Chen, A. Chakraborty, J. P. Roose, Alternative ZAP70-p38 signals prime a classical p38 pathway through LAT and SOS to support regulatory T cell differentiation. Sci. Signal. 12, eaao0736 (2019).

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