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アミノ酸飢餓は中和抗体産生を増強させることによりワクチンの有効性を高める

Amino acid starvation enhances vaccine efficacy by augmenting neutralizing antibody production

Research Article

Sci. Signal. 12 Nov 2019:
Vol. 12, Issue 607, eaav4717
DOI: 10.1126/scisignal.aav4717

Sumbul Afroz1, Shama1, Srikanth Battu1, Shaikh Matin1, Sabrina Solouki2, Jessica P. Elmore2, Gillipsie Minhas1, Weishan Huang2,3, Avery August2, and Nooruddin Khan1,*

1 School of Life Sciences, Department of Biotechnology and Bioinformatics, University of Hyderabad, Hyderabad, 500046 Telangana, India.
2 Department of Microbiology and Immunology, College of Veterinary Medicine, Cornell University, Ithaca, NY, USA.
3 Department of Pathobiological Sciences, School of Veterinary Medicine, Louisiana State University, Baton Rouge, LA, USA.

* Corresponding author. Email: noor@uohyd.ac.in

要約

タンパク質またはアミノ酸(AA)摂取の特定の削減は、寿命の延長、加齢に伴う障害に対する保護、および代謝状態と免疫の改善など、莫大な健康上の利点を与える。細胞は、アミノ酸飢餓応答(AAR)を活性化することにより、AA飢餓の状態に応答する。ここでは、ハロフジノン(HF)でAARを模倣することにより、DENVに対する強力なワクチン候補であるデングウイルスエンベロープドメインIIIタンパク質(DENVrEDIII)で免疫したマウスにおいて、中和抗原特異的抗体反応の度合いと親和性が増強されることを示した。HFは、ワクチン接種マウスの二次リンパ器官における胚中心(GC)の形成を増強し、サイトカインIL-10の産生を増加させた。さらに、HFは、ワクチン接種されたマウスの流入領域リンパ節において記憶B細胞の形成とGCの維持と成熟に関連する遺伝子の転写を促進した。HF前処理マウスにおけるIL-10量の増加は、GC応答の増強と相関し、抗原特異的高親和性抗体を分泌する長命の形質細胞の確立を促進する可能性がある。したがって、これらのデータは、AA飢餓の模倣がデング熱や他の感染症に対するワクチンの有効性を増強させる代替法を提供しうることを示唆している。

Citation: S. Afroz, Shama, S. Battu, S. Matin, S. Solouki, J. P. Elmore, G. Minhas, W. Huang, A. August, N. Khan, Amino acid starvation enhances vaccine efficacy by augmenting neutralizing antibody production. Sci. Signal. 12, eaav4717 (2019).

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